cametekの日記

かめりあの日記です。 http://cametek.jp/ http://twitter.com/cametek/

(ネタバレ注意)MAD RAT DEAD追加楽曲「If We Could Be Friends,」について忘れる前に書いておいた方が良いこと

これはどんな記事ですか

「皆が忘れる前に&自分が忘れる前に(自分は大事なものであろうが全ての物を忘れていくタイプの人間なので)言うべきことは言っておけ」

というスタンスで生きています。こんばんは。

突然ですが先日28日に日本一ソフトウェア様「MAD RAT DEAD(マッドラットデッド)」に追加(無料DLC)になった楽曲「If We Could Be Friends, / かめりあ」についてどんな事を考えながら作っていたのか書いておこうと思います。あとモールス信号とか仕込んだしそれも答え合わせしておいたほうが良いっすよね!という記事です。

 

なお例のごとくですが、人によってはネタバレが含まれる可能性が高い記事になっているのと、人によっては解釈違いになりかねない記事になっているので、こちらをご了承の上「はい」ボタンから入室下さいますようお願いします。それから是非ともエンディングまでプレー後に見て下さい…。それから当然ですが(一般論として)「知ってしまう」と「知らない」状態に戻ることはできませんので、引き返したほうが良いと思う方、後悔する方は早い内に引き返して下さい。そして解釈違いだった場合は「うるせえお前が(かめりあが)間違っているんだ」「知らねえ」の精神で強く生きて下さい。あなたの考えはいつでもとても素晴らしいです。皆さんの人生を応援しています。

ちなみにマッドラットデッドはSwitchダウンロード版が5/12まで30%OFFになっているそうです。この記事を見られる方は持っている人がほとんどだとは思いますが(そうですよね?)、持っていない方は是非この機会に!

↓(以降本編です)

↓(以降本編です)

 

 

 

 

 

 

 

 

よしネタバレしていきますぞ!

 

最初に

まず、公式サイトに寄せさせて頂きましたコメントを引用しておきたいと思います。

お久しぶりです!かめりあです。
この度「MAD RAT DEAD」に追加楽曲として「If We Could Be Friends,」という楽曲を
書き下ろさせて頂きました!日本語では「もし友達になれたら、」という意味です。
これは"友達になれなかった彼等"の曲でもあるのですが、"友達になった彼等"の曲でもあって……みたいな事を考えながら作りました。そんな優しい思いを込めた曲になっています。本当です。怖くないです。
そんな訳で曲名には続く単語があるのですが、その続く単語も二通りあったりして、それらは曲の中に隠してあるので良ければ探してみて下さい。
それではまたお会いしましょう!ありがとうございました!

本編

改めまして「If We Could Be Friends,」はMAD RAT DEADの追加(無料DLC)楽曲として制作させて頂きました。嬉しいですね。ピアノやストリングスが入ってくるタイプの楽曲で、本編に収録されている曲だと「Heartless Being」が近いかなとも思いますがこちらはもっとずっと優しい音になっています。

こちらは日本一ソフトウェアアメリカ(NIS America)のダンス動画!

曲のテーマ

というわけでどこから話したもんかな、と思っています。

まずこの曲は文字通り「もし友達になれたら、」という意味のタイトルになっていて、文字通りそういうテーマで作りました。

本編をプレーされた方ならすぐ意味が伝わるかなと思いますが…、結局の所敵同士というか、どちらかが生き残ればどちらかが死ぬような関係のマッドラットくん&ネズミの神様が、「もしいつかどこかで友達になれたら」という優しいifルート的なイメージで作った楽曲です。というところまでは伝わってますよね!(イェーイ!)よかったです!ありがとー!

引用

ネズミの神様にまつわる楽曲は私かめりあ本編でもやや多めに書かせてもらったということもあって、自分の楽曲からもいくつか要素を引っ張ってきています。

・Aメロ部分:口笛(MAD RAT, ALIVE?に入ってます)(ちなみに自分の口笛です)(口笛を吹くのが好き)

・Bメロ部分:手拍子(MAD RAT, ALIVE?&MAD RAT, DIE)、ちょっとネズミっぽい音色のリードやトイピアノの音色

・Dメロ部分:メロディの引用

特に手拍子はすぐ気づいてくれた方が多くて嬉しかったです。ありがとうございます。

皆さんが気づいていないかもしれない部分

そしてMRDの事を考えながら、それ以外にもいろいろな要素を散りばめています。こんな事を考えながら作りました!:

  1. イントロは敢えてピアノのソロにして他の部分に注意が行きやすいようにしています。野外の環境音がその裏でずっと流れている事に気づきましたか?(イェーイ!)マッドラットくんは最後にきっと外の世界に出られた(きっと…ね)と思っているのですが、きっと神様と友だちになれたのなら、「外」の世界を一緒に過ごすのだろうな…という思いからそういう事をしでかしました。すみません。
  2. 曲を通して逆再生/巻き戻しの音を多めに入れています。例えばピアノ、ギター、それからありきたりですがガラスの砕ける音などなど。という一言で敢えて多くを語らなくても伝わるとは思いますが…。ある意味でバッドエンドにも近いこの作品、自分の(そして恐らくは多くのプレイヤーさんの)「時間を巻き戻して幸せなエンディングにしてあげたい」という気持ちと、このゲームのテーマ/ギミックをそのまま込めてそういう音を仕込んでいます。
  3. サビの直前の3種類の音が鳴る箇所は(実際は3種類よりちょっと多いのですが)マッドラットくんハートくん神様、それぞれ1人に1種類ずつのイメージで音を入れてみました。3人揃って旅立とう…みたいな…。
  4. 実はサビの終わり(MAD RAT, ALIVE?のフレーズが始まる前の部分)でラスボス戦のBGMのノイズをそのまま持ってきています。バックにそっと鳴らしているだけ&その後一瞬大きくなる(音が小さくなってチェレスタだけになる直前、ビリリリリというノイズはそれです!)だけなので分かりにくいと思いますが…いい感じに馴染んでいると言ってもいいと思います。はい。

肝心なアレ

モールス信号の話です。入れました。二種類。(公式サイトのコメントに書いてます)

楽曲のタイトルが「,」で終わっていることからも分かる通り、実はこのタイトルに続く"単語"があったりしなかったりするんですが、「友達になれた彼ら」と「友達になれなかった彼ら」の分の二通りが実は入っています。

 

 

1つ目は「・・ ー・ ・・・・」で、楽曲の右側(Rチャンネル)に入っているものです。

「ネズミの神様」って、死んだと思いますか?「神様」って「死ぬ」ことができるんですかね?俺馬鹿だから良くわかんねェけどよォ…そもそも「神様」って存在するのかよ…?

…とにかく哀れなネズミくんの前からは"神様"はいなくなってしまったわけで、そんなネズミくんも、いずれはこの世界のどこにもいなくなってしまうんですよね。そんな彼らがどこかでまた会えるとすれば一体どこで会えるだろうか、と考えた時に、それはあの世なのかもしれないなと思い当たりました。

ただ、そんな神様(というより、「寄生虫」)は恐らくこれまでにも大量のネズミを殺してきたわけで、じゃあネズミ目線でいけば極悪人だから地獄に落ちるのか?いやいや「神様」は天国もお見通しでしょ、なんてったって神様だぞ…とか色々考えた挙げ句、こういう表現を使うことにしました。

「・・ ー・ ・・・・」は『IN H』, "IN HEAVEN(天国で)"と"IN HELL(地獄で)"のどちらにもなりそうなこの単語をくっつけて、「"あの世で"もし友達になれたら」という意味になります。

 

2つ目は「・ー ーー・ ・ー ・・ ー・」で、楽曲の左側(Lチャンネル)に入っているものです。

俺馬鹿だから良くわかんねえけど…やっぱり3人揃ってほしいんスよね…。皆もそうじゃないですか?

友達になることができたハートくんとマッドラットくんも、御存知の通り、結局はさよならとなってしまうわけで…。本当に死とは無慈悲ですよね。自分は生き物の死に立ち会うたび、本当に悲しみとやるせなさと、そして理不尽に対する怒りでいっぱいになります。3人(「匹」というべきですか)散り散りになってしまった先で、もしもう一度めぐりあうことができるなら…そんな気持ちをどうにか優しく込めたいと思った結果、こちらは率直な表現にしています。

「・ー ーー・ ・ー ・・ ー・」は『AGAIN』、「もう一度」の意味で、「もし"もう一度"友達になれたら」という意味になります。

以上モールス信号&曲名に続く単語たちの解説でしたありがとうございます。

 

もう一個だけ

忘れるところでした(マジで忘れる寸前だった)(ね?ちゃんと記事に書いておいて良かったでしょ)。

この曲のBPM(テンポ)は169とかなり微妙な数字になっています。実はこれにも理由があります!

自分が本編に提供した楽曲は「MAD RAT, ALIVE? (BPM105)」「Yellow Invitaion (138)」「plash, plop, gurgle (128)」「MAD RAT, DIE (150)」そして「Heartless being (172)」の5曲です。最も速いのはもちろんHearless beingですね。今回追加楽曲はHeartless beingのようなアートコア/ドラムンベース系の楽曲ということで、BPM的にもそれに近い辺りになることになっていました。

上でも述べた通り、この楽曲は神様がいなくなってしまった後の世界であったり、あるいはハートくんとマッドラットくんが別れてしまった後の話であったりと、"本当に全てが終わってしまった後"の寂しさと、それでも優しい世界であってほしい、3人揃って幸せになってほしいという願いをイメージした曲です。

3人がまた友達になれるのなら、そこはこの世とはまた別の世界…そう考えて、本編に書いた書いた最も速いBPMである172から"3人分"を引いた172-3=169、というBPMにさせてもらいました。

馬鹿だから良くわかんねェけど色々考えて作りました、ということでした。

 

 

最後に

率直に、こんな思いを込めて楽曲を作ることのできるゲームもそうそう無いと思います。日本一ソフトウェアさん、呼んで下さって本当にありがとうございました。自分はちょっと曲を書いただけではありますが私の宝物です。そしてプレイヤーの皆さんは沢山のラヴをありがとうございます。感謝感謝です。

マッドラットデッド、今後もよろしくお願いいたします。では!