cametekの日記

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「Blackmagik Blazing」に曲コメを書きました

この記事はどんな記事ですか

今年2019年、8月に開催されたコミックマーケット96で、新しいアルバム「Blackmagik Blazing」をリリースしました。この記事では、このアルバムを製作中にどんな事を考えながら曲を作っていたのか、どんなテーマがあって、どんな裏話があるのか、といったことを体力の続く限り書いていく記事(曲コメ)です。*1

なおこのアルバムはななひらさんとのばーさすシリーズ「ごーいん!」と同時リリースでした。大変だった…。そふらんちゃん9分マジ辛かった…。でもこういった同時リリースの時、方向性が真逆(ごーいん!は電波ソングが中心ですし)というのが、自分の制作にとって毎回良い感じに働いていると思います。良い感じ*2です。

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Blackmagik Blazing(イラスト:Temmieさん)

特にいち早く触れておきたいのはイラストのTemmieさん*3。「Undertale」「Deltarune」 のキャラクターデザインをはじめ、「Escaped Chasm」の制作なども手掛けたイラストレーターさんです。見れば分かる通り、独特で別格かつ、予想のつかないバランス感のある色彩感覚で、そしてややデフォルメチックで、非常に整っていて個性のあるキャラクターを描かれる方です。個人的に知り合って以来個人的にファンで、今回イラストを提供して頂いてとても嬉しく思っています。「黒魔法」「黒魔術」というテーマにピッタリだろうと考えていたのですが、予想を遥かに超えるピッタリさで感動、感激でした。Thank you temmiesan! 

そしてデザインを担当してくださったのは「INSANE INFLAME」のデザインも手掛けてくださっているShota Kajimuraさん。どうでも良いんですが"INSANE INFLAME"も"Blackmagik Blazing"も子音で言えば頭韻を踏んでますね。正直な話をすれば、イラストを頂いた時点でどうデザインするんだろう…、と心配になってしまったところがありました(申し訳ありません)。しかし仕上がったデザインは攻めていて、それでいてイラストに溶け込んでいて、本当に感謝と脱帽(帽子をね…)でしかありません。

これはジャケット単体の画像ですが(そしてデジタル配信は概ねこの画像を使っていますが)、CD版ではより幅広なイラストの全体像を見ることができます。Temmieさんからは既にイラストを公開頂いていますが、よければ是非CD媒体も引き続きよろしくお願いします。是非飾ってあげて下さい。

そして例のごとくこの記事はBlackmagik Blazingのデジタル配信の記念とお知らせを兼ねています。よければご検討下さい。イエーイ!ウオー!

 

 

リンク集

特設

CD

TANO*C STORE - メロンブックス(Melonbooks) - Diverse Direct

デジタル配信

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本編

アルバム全体のイメージ

前回は「heart of android」という大人しめの作品を作ったので、次のチャンス(今回ですね)は絶対に攻撃的で強い(攻撃的で、強いという意味です)作品を作りたいなと思っていました。ちなみに、本作の計画そのものはheart of androidを作っている最中から練っていました。平均的にいえば1年くらい先の計画を常に考えているイメージですね。
そこで、今回は『黒魔術』をメインのテーマに、『邪気眼厨二病*4』というサブのテーマと組み合わせた作品にすることを着想しました。heart of androidパステル系のカラーリングだったというのもあるのですが、「黒」というカラーリングは対比としても面白いですしね。黒魔術も邪気眼*5どちらも個人的に好きな要素ということで、テキトーにやってもきっと良い感じ(良い感じ)の物ができるだろう、と制作はかなり勢い任せなものでしたので、そのため詳細なプランやストーリーはありませんが、その代わり全体の統一性は高いと思います。

特に、以前から音ゲーハードコアのことを個人的に「邪気眼コア」と呼んだりしていたことがあるのと、『もし自分が中学二年生の時に聴いたら一生聴いていそうだな』、と思える曲、という目標もありました。そのため、音ゲー曲的な要素は(計画段階から最終的な楽曲まで)多めになっています。だいぶ詰めました。モリモリ。

それから

かなり以前から、「PLANET//SHAPERがかめりあの最高のアルバムだ」と言われることが多く、どうにかその記録(?)を破りたいな、と願っていました。いや〜未だにそう言ってもらえるのは本当に嬉しいですが、とはいえもう何年前なのか分かりませんもんね。紀元前か?リリースした段階で、あるいは1ヶ月2ヶ月でそのチャレンジの結果が分かるわけではないのですが、それ以上にたくさん聴いてもらえると良いなぁと…というのが小さな野望でした。以上!

曲解説

Tr.01 B L A C K - R A Y

イントロ曲。もともと"イントロ(Introduction的な)"として2分前後の曲にする予定でしたが、作り進めているうちに1曲にできるなと思い色々な展開を追加。最終形はNeurofunk, Hardcore/Basscore, Drumstep/Neurostepを移り変わる楽曲になりました。ストリングスの刻みがメロディに入ってくる所が個人的なお気に入りです。なおドラムンとハードコアの前後半でキックが変わっています、上手い具合にシームレスになってよかった。
ちなみにソプラノのボーカルは自分です。嘘です

Tr.02 BRACE FOR FRICKING IMPACT

HardstyleとTrapを行き来する曲。曲名は「"クソ衝撃"に備えろ」の意味です(FrickingはFuckingの婉曲的的表現)。Level1, Level2, Level3とレベルの上がっていく声ネタがお気に入り。後半のコード進行はかなり楽典的にNGというか、実際外れた進行なのですが、暗さと勇猛さが表れていてなかなかいいアイデアでした。

Tr.03 Circles of Death

ギターリフが良い感じに決まっているハードコアです。ギター、良い~

2:39に音が入っていますね。制作中も何度か誤反応していました。YouTubeのコメント欄やエゴサをしていてもなかなか反応している人が多く嬉しかったです。マジすみません。

この曲、それからNight Raid with a Dragonは、このアルバムの中でも後の段階で直感的に作った*6作品だったのですが、そういった曲もこのアルバムに風味を増している感じがあり、いい感じがあるなぁ…(語彙力)。

Tr.04 Nasty * Nasty * Spell

エレクトロスウィング。DanceRush STARDOMで「Midnight Amaretto」を作って以来、この手のジャンルにかなりハマっています(コナミさんありがとうございます。是非ゲームもプレーしてね!)。この曲は基本的にas mollで進行するのですが、ベースハウス展開の前にf mollに転調します。こういった強引な(近い調ではありますが)転調も以外と馴染んでいて作っていて楽しかったです。

Tr.05 Arche

一応200Step*7ですが、ほとんどハードコアですね。Pumpcoreあたりになるんでしょうか、詳しい方がいらっしゃいましたらYahoo!メッセンジャーで教えて下さい。

この曲の曲名(アーケ、アルケになるんですかね)は同名の音ゲープレイヤーArcheさんのツイート

 

によるものです。ありがとうございました。

Tr.06 Night Raid with a Dragon

「ドラゴンと夜襲」。Basshouseから後半はDubstep/Hybrid Trapになります。笛っぽい音(笛ですが)がドラゴン使いかその能力をバフするヤツっぽい雰囲気を出していてお気に入りです。特に言うことがない曲っていうのもあるんですが、それで終わってしまうのも難なので何か書いておこうと思います。1発目のドロップの合間に入ってくるフレーズが2発目のドロップで2拍しか出てこないのは作っていて笑ってました。

Tr.07 Lúin Øf CeltchaЯ

この曲なんて読むんだ?ケルトハイテックです。途中でTrapになったりする。メロディックな展開で終わるかと思わせて、その後に1分以上展開があるので凄い。
ちなみに4分からのドロップはPLANET//SHAPERから表題曲のフレーズを一部使っています。セルフパロディ(オマージュ)!

Tr.08 KillerBeast

ソフラン曲です(別に他の曲もソフランしているけど)。Twerk /TwerkcoreとTrapを行ったり来たりします。一番最後のBPM変化しまくる所は完全にひらめきのままに作っちゃいました、意外とハマっていてやはりアイデアは大事だなと…

この曲の曲名、それから一部ボイス、キーボードのクリック音(!)などは音楽ゲームStreamerのBeastTrollMCさんから頂きました(サンプリングしました)。Thank you Ed! This is amazing!

www.twitch.tv

Tr.09 Blackmagik Blazing

表題曲!

こういうBPM250強くらいの4つ打ち曲を最近作るんですが、ジャンルは何になるんでしょうか?自分としては220~230の延長線上と思っていますが、ここまで来るとSpeedCoreなのではないかと思いつつ、とはいえキック2倍速でもないし…MSNメッセンジャーで教えて下さい。

このアルバムでは、アルバムそのもののキーとなりそうな『黒魔術』『邪気眼』っぽい要素を予め挙げ、あるいは制作しながら思いつき、それらを全体に散りばめる形で統一感を取っています。例えば「クサい*8ピアノ」「ギター」「鐘の音」とか「シンセメロディピロピロ」「ワブルベース」「キック連打」とか。実際にこの表題曲では、それら要素全てを曲の中で使用することにした結果こういった曲になっています。ちゃんとみんな入ってるね。よかったね。

Tr.10 [ ⫖⌊∄∄◗ ⫖⌊⦰⦰ꗐ ]

全然曲名が入力できねえ~!なんでだ!

アルファベットで表記すると"[ BLEED BLOOD ]"になります。シュシュシュシュ出血しろ!ツインリード*9のメロディがお気に入り。

ラストのドロップでは曲を止めたり、Bruhしてみたり、かなり遊んでしまいました。とはいえ全体的には真面目な曲、という対比があると良い!という思い込みがあります。

Tr.11 SECRET BOSS

「隠しボス」。キック連打大好き!チップチューン展開大好き!ウオー! Ah Shit, here we go again.

制作中、この曲のイントロがボスっぽくならなくて困っていたのを覚えています。最終的にはなんかまぁ中ボスっぽくなりましたがそういうのも良いんじゃないですかね。

後半のメロディ展開のコード進行が特徴的で割とお気に入りです。

Ebm → BM7 → Db → Gb → Bbm7 → BM7 → Abm7 → Db

Tr.12 We Could Get More Machinegun Psystyle! (And More Genre Switches)

(Machinegun) Psystyle, Psytrance / Fullon-psy, そしてJungle Terrorの3つのジャンルを行き来する曲。「更にマシンガンサイスタイルを手に入れたぞ!(そして更にジャンルが切り替わる!)」ちなみにドロップでBPMが320まで上がったりBPMが32まで下がったりします。こういうギミッキーで機能・目的としてのBPM変化って好きですね。私は何も悪くありません。

この曲のドロップ前の声ネタはドラム叩きながら配信もしちゃう凄いドラマーのThe8BigDrummer / Jerodさんから頂きました(サンプリングしました)。Thank you Jerod! Keep on rockin'!

Tr.13 ⫻Under Construxion⫻

工事中の曲です。かめりあ工務店 工事中グッズセットで先行試聴できた曲はこの曲になります。1:45

「工事中グッズセットの曲だからUnder Constructionなのね!」と思われると思いますが順序が逆で、実は以前から"Under Construction"という曲を作れないかな~と計画していました。そのタイミングで工事現場・工事監督の機運が高まってきてしまい…という流れで実現させたのがこの曲、そして工事中グッズセットになります。

Tr.14 NIGHTMARE † CITY

アルバムのトリの曲にして、アルバム最長の曲。そしてタイトルも後述しますが「Nightmare City」と、熱のこもった曲です。個人的にもすごくお気に入りの楽曲!

15年前、同名の(リスペクト元である)「Nightmare City」というFLASHアニメ作品が公開されました。

 

自分を含めた昔からインターネットをやっていた人達にとっては、もはや『基礎教養』『聖典』と呼ばれるほど、本当に多くの人たちが好きな作品です。今回このアルバムを作ると決めてから(というよりそれよりずっと前からですが)、テーマ的にもタイミング的にも、絶対にリスペクトした曲を作りたい!と考えて作り始めた楽曲です。

「NIGHTMARE † CITY」はそうしたモチベーションをうけ、「Nightmare City」とそのBGM「403 - Southern Cross」のオマージュ・リスペクトが多く取り入れられています。

  • イントロにもすぐ登場する4分音符3発のコード - 原曲は頭拍からですが、この曲では2拍アウフタクトになっています*10。サッザンクロス!のメロディ部分ですね。
  • メインメロディのコード進行 - このコード進行は原曲のイントロの進行とほとんど同じ進行になっています。なので、原曲のメロディをこの曲の上から歌うことも可能です。制作中はその自家製マッシュアップを一人で楽しんでいました。
  • 中間部の完全に楽曲がメタルになる展開 - 原曲がメタル(シンフォニックメタルかゴシックメタルあたりになるんですかね?)なので、どこかにメタル要素を入れたいな…と計画段階で考えていました。途中でギターソロを突っ込んだ所、これはイケるぞ、とメタルに完全にスイッチすることを決意。かなりお気に入りです。
  • ラスサビ後のピアノフレーズ - 説明不要とは思いますが…このフレーズは完全にリスペクトです。その後のドロップがこのフレーズを受けて三連になるのもお気に入り。

 今年27なので15年前というと12歳、若干タイムラグがあったと思いますし、多分ハマっていたのは中1中2くらいだったでしょうか…、時を超えてこういう形でリスペクトを表現できて良かったです。次はカタストロフしないといけないですね。

 

まとめ

良い感じのアルバムになりました。引き続き「Blackmagik Blazing」よろしくお願いします(投げやり)。

cametek.jp

*1:体力が尽きたら終了します

*2:良い感じ

*3:hOI! ホイ!のテミーさんのキャラを作った人(その他にも多くのキャラを手掛けています)。という立ち位置になると思います。

*4:マジで"厨二病"と"邪気眼"は違うから覚えておいて、頼むわ

*5:ずっと昔、邪気眼系のコミュニティにいましたし

*6:本当に一日二日とか…いきなり作りたくなって作ってしまう曲ってあるんですよ

*7:BPM200のダブステップ。自分が勝手にそう呼んでいる創作ジャンルです。

*8:「クサい」というのはメタル界隈の独特な表現ですが、砕いて言うと"やけにメロディックで、暗くて(マイナー調で)、胡散臭いけどカッコいい"とかそういう感じになるんですかね。若干の嘲笑を含みますが基本的には確実に褒め言葉です。ご承知おき下さい

*9:ギターが2本の場合ツインギターとかって呼ぶのでシンセが2本の場合はツインリードでは?と思ってそう呼んでいます

*10:こういった過程で着想したフレーズですので、本当に意図せずではありますが、Laurさんの楽曲ととても良く似てしまったということに後から気づき、本人にその旨伝えご了承頂きました。ありがとうございます!

スーパーマリオオデッセイ 最少キャプチャー数RTA(Minimum Capture Any%)について

(追記 07/12)

WRが先程更新されました。

これまでの「最少キャプチャー数RTA(Minimum Capture Any%)」史上最速となる1:13:49です。この記事内で解説していますが、後述の「10Captures最速」ですらありません。1つテクニックが少ないため、より簡単だった過去の13Capturesのレギュレーションも含め、最少キャプチャーというレギュレーションの中で(Nut Jumpを持つランに限ると)これまでで最も速い記録が叩き出されました。意味がわからない。

ランは1:50から始まります。

そして問題のNut Jumpは2:53より始まります。説明するより見た方が早いのですが、全くミスがありません。本人(Smallant1)も「文字通り"完璧"」「過去最速のNut Jumpだった」と相当に喜んでいる様子がわかります。

なおこのNut Jumpは可能なマリオデのバージョンが限られています。後のアップデート(最新版、1.3)ではロード時間の短縮が大幅に入り、Any%(通常の最速クリア)では59分14秒というWRが記録されています。逆算してAny%と14分しか差が無いのも含めて、相当速いという話が伝わるといいんですが。

これは本当に本当に速い…!この3ヶ月で3度もWRを叩き出した努力に感動!

そしてカテゴリーはマジで死んだ可能性があります。これからの記録にも楽しみです。

(追記ここまで) 

この記事を書く動機

5/30の朝、何もURLを貼らず、興奮そのままの空中実況ツイートをしていました。

 

 

 

「自分はよくTwitchのゲーム実況を見ている」というコンテキストを知っている人に限って言えば、Twitchでスーパーマリオオデッセイのカテゴリーを見ることができたとは思うのですが(そしてこのWR*1を叩き出した人は、その時点でカテゴリーの視聴者数トップだったので、なんとか見つけることもできそうです)。このツイートだけでは全く意味が不明だったことに加えて、その時何が起こったのか解説して面白さをわかってもらおうという目論見でこの記事を書いています。

 

スーパーマリオオデッセイ、キャプチャーについて

スーパーマリオオデッセイについて知らない人向けの話です。Wikipediaを見たほうが速いという意見もあります。
Nintendo Switch向けのゲームで、スーパーマリオサンシャインぶりの3Dマリオシリーズです。自分も持っていますが非常に面白い。相当グッと来ました。基本的に難易度は低め・万人向けなのですが所々に手強い箇所があり、自分はアクションが苦手なのも相まって普通に苦戦します。アクションゲーム適正がねえ。なお、ストーリーは(分岐やED後の要素こそあるものの)基本的に一本道です。なので、最少キャプチャー数RTAは自ずとEDまで一直線に進んでいくルートになります。

 

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スーパーマリオオデッセイ公式ページより

スーパーマリオ オデッセイ | Nintendo Switch | 任天堂

ゲーム中では、帽子のキャッピーくんをマリオがぶん投げることで空中ジャンプ的な動作が色々増えるほか、スクショ右下の帽子をかぶったクリボーのように帽子をぶつける(被せる?)ことでそのキャラや物を操ることができるようになります。

 

例えばマリオシリーズおなじみのクリボーやワンワン、キラーに加えて、恐竜、サボテンなど色々な物をキャプチャーして道を切り開いていく、そういった力学でスーパーマリオオデッセイは進んでいくんですね。軽いネタバレですが、このキャプチャーという能力を本当に最大限に活かしたエンディングを迎えるので、マジで胸が熱くなります。(選択反転メソッドはスマホ時代に通用するのか?)

特に説明不要な気もするけど最少キャプチャー数RTAとは

 そして最少キャプチャー数RTA(Minimum Capture Any%)では、「キャプチャー」回数を最少にしつつエンディングに到達することをルール(レギュレーション)としたRTAタイムアタックが行われています。もちろん、ゲーム内ではキャプチャーを行わないと進めない点が部分部分で存在しますから、どうにかしてその難所を乗り越えていく事になっています。

 

その日叩き出された記録の凄い所(本題)

こちらがSpeedrun.com*2の最少キャプチャー数RTAランキングです。

https://www.speedrun.com/smoce#Any_Minimum_Captures

まず、この最少キャプチャー数RTAは、長い間13回/14回のキャプチャーを行ってクリアするルートが盛んに行われていました。すでにレギュレーションが分岐しているのが面白い点なんですね!

Nut Jump

このルート分岐は、後述するNut Jumpというテクニックを使うことで、14キャプチャーのルートより1回キャプチャー回数を少なく保ったままクリアする、13キャプチャーのルートが可能であるということによります。
しかしながら、そのNut Jumpというテクニックが異常に難しく、世界に4人しか(Nut Jumpを用いて、あるいは「Nut Jumpを使用することができるプレイヤー」がいないということでもありますね)完走したプレイヤーがいないため、多くの人はNut Jumpを行わないルート、すなわち14キャプチャーのルートを選択せざるを得ない、ということがわかってもらえるかと思います。

カナダのプレイヤー*3Smallant1さんによる、2019年1月の13キャプチャーWR記録動画(クリアまでプレーするのでスーパーマリオオデッセイのネタバレを含みます)。ちなみに自分がツイートした配信でWRを叩き出したのも、WRを叩き出す前のWR記録保持者も、13キャプチャー(難しい方)の現記録保持者もSmallant1さんです。マジで何がNut Jumpに駆り立てるのか…。

ちなみにこの記事で取り上げている記録を現在達成しているのはSmallant1さんのみ、世界唯一かつ世界初の記録のため、自動的にほとんど全ての内容がSmallant1さんに関連した内容になっています。

テクニック自体は8:04あたりから始まります。ステージに配置されているナッツ(木の実)を持ち、投げる→飛び乗ることでジャンプが発動する+自動的に木の実を持つ→投げる→…を繰り返すことで無限にジャンプができるというテクニックです。なんか見た感じ簡単そうだし凄い技じゃん!と思うじゃないですか。本当に難しい。曰く、1/12秒(5F)しか成功する時間がない上、45回それを繰り返さなければならない、そしてそのNut Jumpを使うのがルートのほぼ最終部分、そのためRTAという時間を競うルールではやり直しをするためにほぼ全てのコースを再走しなければならない、というのが非常に難しい理由のようです。

左下の記録時間に注目しながら動画を確認すると分かりますが、1度目の挑戦は1時間近くNut Jumpに挑み諦めてリセット(再走)。2度目の挑戦も1時間近くNut Jumpに挑み諦めてリセット。結局4回目の挑戦の1時間強経過後にNut Jumpに成功しています。これがこのRTA配信時のWRです。なんとなくこのテクニックの難しさがわかってもらえたでしょうか。

 

しかし残念ながら、本記事で叩き出された記録は13キャプチャーではなく、10キャプチャーの記録となります。

 

Broode Skip


2019年5月末、あたらしく「Broode Skip」というテクニックが発見されました。このテクニックは、マリオオデッセイを2人でプレーする事のできるモードを使うことで、「滝の国」(2面)のボス「マダム・ブルード」を飛ばして次の国(3面)に向かうことができる技です。

というのもボス「マダム・ブルード」を倒すためには彼女が飼っている(?)ワンワンをキャプチャーして、彼女にぶつけることが必要になります。3回も。そのため、このボス戦をスキップできれば最少キャプチャー回数そのものが13回→10回になる新ルートが出来上がる、という事でした。そこでこのテクニックが発見されたのですが…。

マリオオデッセイでは、帽子のキャッピーくんを操作することで2人プレーにも対応しています。ジョイコンを2つに分けて、左のジョイコンはマリオ、右のジョイコンはキャッピーくん(帽子)、という様にプレーできるんですね。Broode Skipはその2人プレーを応用し、2Pのキャッピーくんを使って、通常のプレーでは届かないチェックポイントの旗を解禁するというテクニックです。
最も近くの足場から飛び出し、キャッピーくんを投げ上げつつ、移動可能範囲から出てしまわないようにキャッピーくんを操作し、通常届かない足場にキャッピーくんを引っ掛け、最終的に1人プレーモードに戻ってきた上で、その足場上に残っているキャッピーくんがマリオの元に帰ってくる挙動を利用してチェックポイントを解禁、チェックポイント上にワープしてムーンをゲットする、という過程を得ています。難しそうですね。上の動画は1度成功させるために45分を費やしています。また、曰く「昨日の配信では5時間を費やして5回だけ成功した」とのこと。大体1時間くらいかかってしまいそうなほど難しいテクニックだ、というのはなんとなく伝わりますか?

1人で2人プレーを行う必要があるということから(基本的にRTAは1人ですからね)ジョイコンを足でプレーせざるを得なく、また画面外にキャッピーくんを出した上で操作しなければならないので、何が起こっているのかのフィードバックがほとんどない、というのが難しい理由のようです。

テクニックの場所自体はかなり初めのステージなのでやり直し自体は簡単そうですが、例えばルートの後ろの方に難関が組み合わさったりすると、倍難しくなるのは想像がつきますね。はい、10キャプチャーRTAはそういったレギュレーションになりそうだ…と思っていました。実際に上の動画はその時点でのWR(&世界初完走)ですが、Brood Skipに45分、Nut Jumpに30分をそれぞれ費やしています。それぞれ1度の成功のためだけにこれだけ時間がかかるというのがマジで大変そう。*4

 

自分が興奮していた記録

Smallant1の10 Captures for PB/WRをwww.twitch.tvから視聴する

それを踏まえた上で、自分がクソ盛り上がっていたこの記録動画(クリアまでプレーするのでスーパーマリオオデッセイのネタバレを含みます)を紹介しようと思います。
これまでの13キャプチャーの記録は1:15:32です。そして10キャプチャー初完走時の記録は3:15:18と、実に倍以上の時間がかかっています。
実は10キャプチャーでは既に1:33:12というメッチャメチャ速い記録を叩き出しているのですが、それでも13キャプチャーに比べて、2つのテクニックを"揃える"ことに20分近い時間が費やされているのが分かりますね。

この配信は朝から見ていたのですが、1発目の挑戦の後半、Nut Jumpの時点で既にWR+6秒(6秒遅れ)の非常に速いペースをマークします。その後細かいリカバリープレー、プレーベースの短縮の結果、最終的な記録は1:33:01、WR-11秒のNew WR!これが記事冒頭で引用した自分のツイート2つ目までの状況です。配信開始直後の1発目のチャレンジでこのギリギリの熱いラン、盛り上がってしまうのが分かってもらえますでしょうか。そしてそのまま2回目3回目とBrood Skipが揃わず再挑戦を繰り返し、4回目の挑戦(動画2時間21分~)へ…

 

問題のラン

2時間26分頃からBrood Skipが始まりますが、なんと1回目のトライでBrood Skipが揃います。彼的にはFirst try, とは言っていますが、まだその段階ではそこまで盛り上がっていない様子が見えますね。とはいえコメントは1発目の成功ということで非常に盛り上がってます。この時点でWRを3分半まくっており、つまりBrood Skipが3分半早く揃ったということですね。
その後のプレイも見せ場がないわけではないのですが(料理の国のダメージブーストを使ったマグマ越えなど)、Nut Jumpにフォーカスして(3時間28分~)紹介します。

もちろんNut Jumpに時間がかかればWRはまず出ない上、実際に奪われし国の時点では4分しかWRを上回っていません。Nut Jump1発成功するか成功しないかで1時間が簡単に掛かってしまうテクニックということもあり、チャットに対しては「1回目のトライ(で成功するか)?それができたら普通じゃないよ」というように答えてからの挑戦。ちなみに大きな奈落を超えなければならないということもあり、マリオや木の実が落下してしまうことが何度も起こりがち。そのため、マリオや木の実が落ちてしまわない限りは1回目のトライ(First try)、と呼ばれて(呼んで)いるようです。

そしてNut Jumpを開始後2分後、1発目のトライでNut Jumpに成功!チャット欄大湧き。弊職作業中断。
Nut Jumpで乗ったクッパの形の像から足場の上に登るためには、通常キャプチャーが必要なため、一度奈落の方にジャンプをしてから折り返して登る必要があります。もちろん落下すれば即終了です。「緊張してる」「手がマジで震える」「狂ってる」と言って何度か躊躇った末、ついにボス戦へ。「What the heck/crap(どういう事だよ)」「Oh my gosh/god」を繰り返している様子から動揺が伝わると思います。事件です。あまりに早すぎるため、コメント欄では「このレギュレーション(カテゴリー)はもう死んだ(新しい記録は出ない)」と言われる結果に。

その後も大きなミスなく進み、最終的な結果はなんとその日2度目のWR、そして13キャプチャーのWRからでさえわずか3分しか遅れのない剛速の1:18:15!

 

これが冒頭に貼った4ツイートの真相、どうしても説明したかったマリオデの最少キャプチャーRTAの熱い記録でした。さっぱりした。

 

まとめ

発売から2年が経った現在でも、「ギャラクシー」「サンシャイン」「64」同様、スーパーマリオオデッセイのRTAは多くプレーされています。Any%やAUM(All-Unique-Moons、全てのムーンそれぞれを揃えるレギュレーション)など、正統派のRTAは比較的走者が多く、特に脚注のAny%世界初の1時間切りは感動的なRTAです。

しかしながらマリオ64の0StarRTA(ケツワープって聞いたこと見たことありませんか?)や Aボタン禁止TAS(この動画では2時間38分掛けてクリボーボム兵を複製しまくってAボタン回数を2回にまで減らしています)のように、専門性の強い非常に技術的な配信、RTAも多く、知れば知るほど面白くなっていく、スルメ的なRTAも存在しています。

上記の最少キャプチャーRTA、特にSmallant1さんの達成した10キャプチャーレギュレーションは驚異的な記録が出てしまったため、今後多くの人がプレーするかどうかは未知数ですが、この機に配信を作業BGMに見てみるしてみるというのはどうでしょうか。

締切に苦しんでいる方は是非!

*1:World Record, 世界記録

*2:RTA情報や記録をまとめる世界最大のコミュニティサイト

*3:ちなみにカナダではゲーム配信が盛んらしいです。世界で初めてスーパーマリオオデッセイ Any%Run(とにかく最速でマリオデをクリアするレギュレーション)の1時間切りを達成したNicroVedaさんもカナダのプレイヤーさん。

WRがかなり煮詰まっているため、NicroVedaさんは毎日毎日挑戦しては細かいミスでリセット、という賽の河原のような配信をしていて、作業しながら見ていてこれは大変そうだな…と思っていました。普段は割と淡々とプレーしているのですが、世界初1時間切りの動画は喜びを抑え切れないという様子で感動的です。 

 

他にも個人的に仲良くしている音楽ゲームプレイヤーのAzerさんもカナダのプレイヤーさんでした。カナダは凄い!Canada is fantastic!

*4:もっと言えば、週に何度もこのレギュレーションのRTAだけやってたりするのにもかかわらず、これだけ時間がかかっています。

「heart of android」に曲コメントを書きました(ネタバレ?注意)

この記事はどんな記事ですか

昨年、2018/12/30にコミックマーケット95にてリリースされた拙作「heart of android」について、製作中どんな事を考えながら作っていたか?どの曲にどんなイメージやコンセプト、アイデアが詰まっていたか?と言ったことをコメントしていく記事です。

ちなみにこのアルバムは今日、2019/01/31より各種デジタル配信サイトで配信を開始しており、こちらの記念も兼ねています!イェーイ

デジタル配信ストア各種

…とは言いつつも、このCD全体のイラストワーク、デザインワークは本当に素晴らしく、色々なデモやラフが届くたびに果てしないプレッシャーを感じて体調がどんどん悪くなる、心がミシミシ言う、というほどでした。そんな電鬼さん、TOHRU MiTSUHASHiさんによるイラストワーク・デザインワークがフルで楽しめるのはCDの特権ですので、CDというフォーマットでも、引き続き並んで強くおすすめします。

委託ショップ(CD)

注意

製作者のコメントと言うと、これが正解!というような意義で伝わってしまいそうですが、基本的には細かいところを含めて皆さんの想像におまかせしたいと思っていますので、そこんところはゆる~くお願いできるとマジでありがたいです。かめりあお前が間違ってるんだ!のスタンスで行きましょう!(何(マテ

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heart of androidのジャケット(イラスト:電鬼 デザイン:TOHRU MiTSUHASHi)、本当に綺麗で、プレッシャーがありました

本文

アルバム全体のイメージとコンセプト

「heart of android」はその名の通り"アンドロイドの心"、心のあるアンドロイドをテーマにした、メコンセプトとしてこれまでに冠したことのない「エモい」アルバムを目指して作りました。

ところでまず、この「エモい」という単語についてですが、実はこの単語の意味というのが、今まさに移り変わりつつあるのを認識していました。比較的年上の方(あるいは、自分の世代)では、「エモい」は「感傷的」「叙情(抒情)的」「泣ける」「切ない」といったニュアンスで使う方が多いように思っています。しかしながら、比較的年下の方では、「エモい」が「高揚(昂揚)する」「アガる」「盛り上がる」といったニュアンスでよく使われているようです(自分の個人的な認識です)(合ってますよね?)。

そこでその現状を逆手に取って、「エモい」「エモーショナル」に複数の意味を持たせ、"抒情&昂揚"の二つの側面を持ったアルバムにしたいな、というイメージで作り出したのがこのアルバムです。聴いて頂く方々がそれぞれの「エモさ」を感じてくれればいいのですが!

それから、サブテーマとして「有機と無機」、「懐かしい近未来」と言ったものもあります。前者は、以前より自分のサウンドになりつつあった組み合わせではありますが、シンセサイザーなどの無機質なサウンドと、ピアノやストリングス、あるいはボーカルなどの有機的なサウンドの融合。後者は、ややサイバーでクールなサウンドに、あえてピアニカや、オルゴール、それから8bit的な音色を組み合わせたりなど、と言った形で表現しています。

 

それぞれの曲について

01. Alone intelligence

Twitterに軽い気持ちでプレビューを投稿したらガッツリ伸びてしまい、かなり緊張した一曲でした(メタ)。

「独りぼっちの知性」。自分の好きな物語のパターンに、"主を失ったロボット"というものがあるのですが(まぁ、具体例を挙げなくても色んな所で散見されますよね)、そのイメージを重ねて作っています。廃墟や高層建築の街に降る雨の中で、自分のすべき事は一体何なのかを探すアンドロイド、という描写を考えながら作っていました。マジか、そうだったのか…。知らなかった、そんなの…

後の何曲かでも聴ける通り、この曲のフレーズがアルバム全体のモチーフになっています。例えばTr.03 "[ns]", Tr.13 "Heart of Android : Even If It's Only By Mechanism", Tr.14 "Embracing intelligences", 面白いところではTr.07 "S.A.T.E.L.L.I.T.E.", Tr.11 "Tojita Sekai"のボーカルラインに現れていたりもします。

02. Arcology On Permafrost

全部の曲に物語性があるわけではないんですが(爆)

曲名は「永久凍土の完全環境都市」という意味になっています。永久凍土が残っている程度には寒い地域に都市を構えるなんて、さぞ凍えるだろう、と思いつつ、そんな中でも都市がある程度には技術が発展した未来なんだ、という深読みタイトルの意味も込められていますね。

昔から「冬っぽい場所(のBGM)」「氷っぽいステージ(のBGM)」、あるいはとかとかが大好きなんですが、皆さんとも共有できているんでしょうか。単に自分が北海道生まれで東京に越してきたから、とかそういう話ではないといいんですが。

この曲では顕著ですが、アルバム全体を通じて、1曲のうち2回し目をほぼ必ず違う形の展開にする事を心がけています(勿論このアルバムに限らずですが)。特にこの曲では、後半でテッキーなドラム隊が入ってきて、ピアノのリフに移り変わる、という面白い展開を組むことができ、曲の冷たい雰囲気と合わせてコッソリお気に入りです。

03. [ns]

曲名の意味は"nanosecond"です*1

ナノ秒」というほんの短い時間に、莫大な量の計算を走らせることができるようになった高度な計算技術をイメージし、相当に細かいエディットを施したブレイクビーツを曲全体にガツガツ配置しました。更に4つ打ちの展開も入ってきてしまったりするBreakcoreです。…とはいえ、どう頑張ってもせいぜいミリ秒単位のエディットですが!

ブレイクス(ドラム)以外のほとんどの音が消えたりするトリッキーな曲ですが、BreakCoreはドラムが気持ちよければ成立する、というジャンルなので面白いですね。

04. Σtealth-Δash

もちろん、"Stealth-Dash"の意味ですね。

このアルバムを作るにあたって、どんなものが『近未来』めいているだろうか?と考えていました。純粋な近未来ではなく、確かに想像の中には存在するけども、どこかチープで懐かしい近未来…と考えた時に、自分の記憶からは「爆ボンバーマン(の謎にカクカクした街(マップ?))」や「アーマードコア」、「ラチェットアンドクランク」、「FF8エスタ」が思いつきます。そして、後にTojita Sekaiで再び触れることになるのですが、「カスタムロボ(特にBattle Revolution)」の世界観と言ったものがストライクヒットしました。

で、カスタムロボにはストライクバニッシャー型というロボの種類があり、そのロボは空中のダッシュ時に"ステルス"という相手のガンを無効化することのできる能力を持っています。これが全てです。マジか。

05. FM Synthesis Experiment

この曲はかなり遊んでしまいました。

まず、曲全体のピッチが半端なくズレており*2絶対音感を持っている一部の人は相当気持ち悪く思うはずです。稀に「録音ミスでは?」という声もありましたが、私がいちいち全てのシンセにお前チューニングを下げろ(上げろ)とセッティングした結果です。

それから曲名にもある通り、FMシンセサイザーを至るところで多用し、分かりやすいところではドロップの多種なサウンド、後半のメロディシンセの音、あるいはパッドやSEなどなど、相当に実験的な楽曲になりました。

上に挙げたような前世代のゲーム内での「近未来的」なマップや、「謎のラボの実験室」的な場所の曲といえば、やはりチープ(今となってはですよ)なFMサウンド、そしてコードの平行移動。そういった、我々の中に宿った"エセ"近未来、というものを表現しつつ作られた曲です。

06. Together forever, my lovely lovely video game cartridges

普段から自分のツイッターを監視してくださっている方々にとっては、自分が改めて言うことではないのかもしれませんが…。昔からポケモンというゲームが好きで(ご存知ですか?)、ずっと昔に自分が持っていたはずのポケモンのカートリッジと、捕まえていたはずのポケモン達のことを思いながら書いた曲です。

サウンド的にはややFuture House的になりつつも、ここまで音数が多いともはや普通のHouseですよね。とはいえテーマがテーマだけに8bit系の音色が多く、意外とまとまった曲になったような気もしています。

07. S.A.T.E.L.L.I.T.E.

衛星。そもそも「人工衛星」という存在そのものが地球から遠く離れて一人信号を送り続けるマシーンとして、完璧にこのアルバムのコンセプトなのですが、その上彼らは空に輝くのがマジで卑怯なんですよね(知るか)。

遥か未来、おとぎ話か歴史資料の中にしか「きらめく星」という存在は残っていなく、厚い雲に覆われた大地にとって、もはや観測する手段も無いような存在だった。人類はかつて、慣習としてそんな星に対して何かを願ったようだが、もはや誰も、この夜空に何も見つける事はできない。アンドロイドたちは、そんな幻のような存在の代わりに、絶えず『信号』を瞬き続ける人工衛星にそれぞれの願いを心の中で祈っている。

というような内容を歌っています。

08. This Future (we didn't expect)

歌詞の中でほぼほぼ全て歌ってしまっているので、改めて書くことがありません。…で終わらせるのもしょうがないので音楽面の話をしたいです。

常套句と言われてもしょうがない気もする「"今"があの時思い描いてた未来なんだよ」という話。曲中では、その未来の表現のため色々なローファイな音源を使用しまくってます。例えばピアノに始まり、ストリングス、ベル、そしてボーカルに至るまで、いたるところで劣化した、チープな音を使いまくっているわけですね。でもそういう音こそがあの頃の一番カッコよかった音だったりして…

Future Bass+曲後半でのHardcoreへの展開、という組み合わせは以前にも「プレゼント」という楽曲でななひらさん、そしてギター、ベースを弾いてくれている「つこ」とトライしています。こちらの曲では"ロックカルチャー方面由来の"「エモ」というジャンル、という意味で共通している所も多く、良ければこちらの曲もどうでしょうか(?)。

09. Upload Your Mind :: Download My Soul

PsystyleとRawstyleを絶えず行ったり来たり、相当足回り(ドラムとベース)を作るのは大変でした。必ずしも未来が全て明るいとは限らない、電脳世界の暗部、といった雰囲気の楽曲です。そうだったのか…

楽曲中ではタイトル通り「お前の心をアップロードして、(代わりに)俺の魂をダウンロードしろ」と言い続けています。想像し得る通り、何か巨大で、統一された人類(あるいは、それらがロボットやアンドロイドだったとしても構わないのですが)を望む存在を背景にイメージしていました。ただ、この曲はその『私の思惑に従う同一の存在になれ』という強い圧力に対して、抵抗し続けるか弱い存在をイメージした曲です。

メインのテーマをピアニカとアコギでいきなり演奏し始める辺りは、そんなか弱い存在がどうしても消されたくない、小さな思い出をイメージしながら作りました。え、そうだったのか…

10. New Era

「新時代」というタイトルでありながら、楽曲はエレクトロ、ビッグルーム、という何ら新しさのないジャンルなのがお気に入りです。とはいえ、既存のジャンルではあまり扱われていない音使いやカットアップなどをスパスパ差し込むことができ、新時代っぽい(そうなのか?)曲になったのでほどほどに安心していました。

この曲には明確なストーリーがあるわけではありませんが、「目覚め」という朧気なテーマを拵えながら作っていたような気がします。長い長いコールドスリープから目覚め、その名の通り"新しい時代"に目覚めた時の不安、そして希望…。実際、最近一番分かりやすいのは「ゼルダの伝説 Breath of the Wild」のOPシーンだと思いますし、確かにサウンド的にも近いものがあるな…と書きながら再認識しています。

11. Tojita Sekai

この曲はマジで頑張りました。

さて、「Σtealth-Δash」の項でも触れた通り、この曲は「カスタムロボ」の世界観に強く影響を受けています。10年以上前のゲームに対してそれを言うのも些か過敏な気はしますが、詳しくはネタバレになってしまうので、Wikipediaの記述を読むなり(「用語」のあたりに詳しく書いてあります)各自でお願いできればと…。

あえて言う必要のあることではない(歌詞の中でほぼほぼ説明していますしね)のですが、説明するとすれば「トゥルーマン・ショー」のように周りを作り物の空、作り物の壁、そして奈落の囲む世界から抜け出そうとする二人の物語の曲です。

イントロでも何度か鳴り、そして歌詞の中でも触れることのできた退廃感のある鐘の音がお気に入りです。その他にも、勿論こういった複雑な展開や、中間部ではQuarter Stepと呼ばれていた、Dubstep黎明期に生まれたハーフビートの更に半分の速度のビートを採用したりなどなど…。自作の中では比較的壮大な7分に及ぶ楽曲にもかかわらず、コツコツ頑張った末仕上げられたのですこぶる気に入っています。

12. Beyond the Geostationary Orbit Level

静止衛星軌道を超えて」。もちろん、"Exit This Earth's Atomosphere"から連想を受けています。「Upload Your Mind :: Download My Soul」しかり、純粋に「叙情的」というテーマをこのアルバムに冠していたとしたら、こういった激しいタイプの楽曲をどうやって落とし込んでいただろうか、と「エモい」の多義性やテーマの複雑さに感謝した楽曲でした。

この地球の大気圏を脱出し、静止衛星軌道を超え、どこにそれが向かい続けるのか…。一体なぜそれは進み続けるのか…。それの行き先は、まだ誰も知らない。まるで音楽を書き続ける自分のような話ですね。そうだったのか…

13. Heart of Android : Even If It's Only By Mechanism

ジャケットのイラストを頂き、さてこれは大変なことになってきたぞ…と思いながら作った曲です。全体的にはFuture Glitch的な雰囲気ですが、ストリングスがいればギターもいるし、ほとんどポップソングですね。

「heart of android」という表題を冠しているにもかかわらず、そんなのは計算の結果に過ぎない、真似をしているだけだという歌詞になっています。言わずもがな、イラストの情景をイメージしていますし、楽曲の全体を通じてボコーダーによるロボットボイスっぽい加工を施しました。

こういった、楽曲の内容に合わせて色々な加工やFXを足していくことが好きなんですが、明らかに「ゲームのBGM」や「効果音」というところから着想を得ている気がして、いくらゲームが下手になっても根っこはゲーマーなんだなぁ、と感じます。

実際右側の娘は人間なんでしょうか?自分も知りません!それでも、たとえそれがプログラムや機構やシステムの結果であったとしても、そこに心があると信じることができるということを、あえて逆のことを言い続けることで表現したんですが、皆さんには伝わったんでしょうか。自分も知りません!伝わっているといいなぁ、と思います(そして、そのためにセコセコブログを書いています)。

14. Embracing intelligences

イントロであるAlone Intelligencesが皆さんの好きなタイプのEDM/(Melodic)Dubstep/HDMだったということもあり、アウトロはどんな曲にするか悩みましたが、ハッピーエンド的な楽曲にしてみることにしました。Tropical Houseと呼ばれるジャンルです。

面白い所で、申し上げた通り、今回のアルバムでは2回し目で同じ展開をしない、ということを心がけて作ってきました。実質的なアウトロ(Tr.15はQuaoarですしね)で、音は増えているものの同じ形のドロップを2回し目でもう一度繰り返す、そしてよく聴くと2回し目のドロップは転調している、という形式にしてみました。イェーイめっちゃアウフヘーベンです。CMaj→FMaj、下属調と呼ばれる調への転調で、自然に聴こえる転調の一つの上、そもそもクラブミュージックは転調しない曲のほうが圧倒的に多く、注意深く聴かないと気づかない人の方が多そうだ~と思いましたのであえて書いてみました。そのためにセコセコブログを書いています。そうだったのか…

15. Quaoar (For "Thanks Follower 50k")

もともとTwitterフォロワー5万人を記念してフリー公開した楽曲ですが、非常に楽曲のイメージがアルバムのコンセプトに近いということもあって、せっかくなので収録しました*3

最終的に「抱擁しあう知性たち」でハッピーエンドにしておきつつ、「Quaoar*4」という夜空のイメージで終わっているアルバム、意外といいアフターストーリーが用意でき、アルバムそのもののストーリーが良く組み上がって安心した曲でした。きっと人工衛星から送られてくる信号だけが届く、世界の果ても空に広がる天球も作り物の閉じた世界から抜け出して、ついに夜空を見られたんでしょうね(適当)。めでたしめでたし。

最後に 

直接の関係がある話ではないのですが、このアルバムを作っている最中に某コンテストが突如開催されたり、制作はこれまでにないほど非常に非常にギリギリのものでした。実際15曲というのは、以前からリリースしている自分のアルバムに比べると比較的多いけども最大ではない、というレベルですが、今作はすべての曲で繰り返しの展開を避けていたので、概ね1.5~2倍くらいの手間暇がかかっています(体感)。一日中目眩が止まらなくなった時はマジもうおしまいやと思いました。めまいがとまらなくなったりもしたけれど、わたしはげんきです。多分ストレスです。

そんな中で応援して下さっている皆さんや、フォロワー諸兄(いつもありがとうございます)、あるいは家族・友人・先輩方に大変大変支えられまして、なんとかリリースすることができました。某コンテストの楽曲が無事に皆さんにお披露目できたのももちろんその1つですが、いつも皆さんの声やツイートや、イベントに足を運んでくださる皆さんが自分の創作を支えてくれています。本当にありがとうございます。

同人に限ると、フルオリジナルのソロアルバムは「INVAIDAS FROM DA JUNGLE」以来です(その間ソロアルバムは「GALAXY BURST」や、kradnessさんとのアルバム「Mira」をリリースしていますが)。INVAIDAS~は2017年の夏のリリースなので、実に1年半近くお待たせしてしまいました。これからも引き続き制作に誠心誠意取り組んでいきますが、まずはやっとこさリリースできたこのアルバムを楽しんでもらえると嬉しいです!

というわけで、9,000文字強に及ぶ稚拙な感想文をお読み頂きありがとうございました。かめりあでした。

*1:場合によりますが、学術単位は[ ]で囲むのが慣習の一つになっています

*2:半音の半音、±50Centズレています。押しなべて言えば、通常の調律の楽器をこの曲と一緒に弾こうとすると、全ての音が「半音の半音」ズレて聞こえます。これは結構なズレです。逆に言えば、通常の調律の楽器、あるいはシンセなど上では、1つもこの曲のチューニングに合う音が存在しません。これは結構なズレです。結構です。

*3:これ以上曲を書くかどうかと言われれば書かなかったでしょうし、その上これで収録時間限界ちょうどということもありましたので

*4:Twitterのフォロワー5万人にかけ、50,000番目の天体名を名付けています

思ったこと(2019/01/08)

「スゲー曲作ってやろう!」で作り始めると、肩の力が入った曲になってしまって、なんかもっといい曲ができたような気がする…ということになりがち

逆に「適当に作っちゃおう」で作り始めると、上手く勢いの保たれた曲ができがち、自分はブートやリミックスとかがそのパターンになることが多い

とはいえどうしようもないと言うか、前者はアイデアを詰め込みすぎたり、頭の中のイメージが100%活かせなかったりすることによる幻滅だったり、という要素も大きそうだし、それでもしっかり曲作れることを自分自身として褒めてあげたいけど、どうにかできるならしたいと思っていました

(1ツイートに収まらなかったのでメモ)

長三度上(下)への転調は認識しにくい

掲題の通りです。一体何故なんだ…

概要

長三度上/下への転調って認識しにくいよな~、と思ってはみたものの、何故認識しにくいのかがはっきり不明だったので改めて調べました。

調査

「スケール内で共通する音」がキモなのではと思っていたので、転調前後の共通音数を重点的に調べた所のがこちらの表になります。

f:id:cametek:20180905103403p:plain

スケール内で共通する音数が最も低い転調は、それぞれ2個の短二度上下・増四度/減五度上下となっています。

実状

とはいえ、ポップミュージックじゃ短二度上下は頻発するというのは皆さん知っての通り(?)です。その上、増四度/減五度上下はほとんど出現しないというのが相まって、前者はより認識しやすく、後者は必要がない、という感じなのかなと考えています。

また調号の変化を見てもその通りで、6個変化の増四度/減五度上下、5個変化の短二度上下がそれぞれ最も変化が多く、そしてその次が長三度上下になっています。この辺りが原因で認識しにくくなっているのではないか、と結論しました。

ちなみに

異名同音を含めると面倒くさくなるので何卒触れないようにお願いします。

結論

長三度上(下)への転調は認識しにくい。

以上です。

 

8/19の夢日記

先日夢日記を書くぞ!と意気込んだ次の日にしっかり夢を見たのですが、あまりにも支離滅裂すぎて、記事化で全てがストップしていました。諦めずにがんばります。

 

自分かめりあを含めた十数人で旅行に行くことになったのですが、舞台は既に自室(かめりあルーム)から始まります。どっちだよ(困惑)

数人ずつくらいで割り振られた自室 a.k.a. 宿泊部屋*1(迷惑千万)をつついていると、そのうちの一人*2が自分に対していきなりプラグインの話を始めました。やれ「リバーブは何を使ってるの?」だの、やれ「そのリバーブは低音の質と音場が悪い。クソだから使わないほうが良い」「(非実在なメーカーの非実在なリバーブプラグイン名、失念)を使うべきだ」だのと言ってきます。あったまきた…(憤怒)夢の中といえどお前後で◯してやるからな。と思ったのを強く覚えています。こいつは後々また出てくるので仮にXとしておきます。とりあえず話し合わせとこ…

そんなクソ野郎がいたので自分は全てをほっぽり出して外に外出、夜は既に夜間。すると同じ旅行のメンバーの2人が外におり、出くわしてしまいました。その2人はテンションが上ってしまい(何故?)、レナウン*3を大声で歌いながら走り回りはじめてしまいます。キメてるんだろ?当然のことながら苦情が入り、生贄として他の旅行メンバーの1人&その友達(仮にBとします)が追われる身になってしまいました。とばっちりにも程が有るんだよなぁ…。捕まればそこに待ち受けているのはもちろん。2人は逃げ惑います。

一部始終を見ていたところ、逃げ回っていたBがを「なすりつけてきた」ため、が自分の元へ…。スタンド攻撃か何か?そのおかげで自分は周りの人からBに見えるようになってしまいました。あまりにも過剰すぎるなすりつけ方に呆然。困った自分は生贄として捕まるのを避けるため、一旦逃避します。この夢始まって以降クソ野郎しか出てきてないな…

その足でひとまずしゃぶしゃぶを食べに来ました!しかしながら冒頭に現れたクソ野郎ことXが、なぜかこのしゃぶしゃぶ店でタレ用のゴマを擦っています。ゲロ以下の野郎だと知っている自分はしゃぶしゃぶを諦め、ひとまず店の奥(バックヤード)へ。おそらく「から逃げないと」という意識のためと思われますが、この周辺以降、自分の夢とはいえ全く理解ができません。申し訳ございません。

店の奥で任せられた(何故?)のはプレス機に物を突っ込む仕事。安全装置もないうえ目の前でガンガン物がプレスされていく職場、危ないなぁ…と率直に感じます。と思った矢先に、何か物が詰まって動かなくなってしまったプレス機。人に手伝ってもらい取ってもらったところ、それは真っ黒焦げのスーツケースでした。

そして事態は急変します。

プレス機を再始動した次の瞬間!スーツケースが爆発!そしてその中からは紫の煙が立ち上り、悪霊ピクセルピエロ*4が出現!我々を食べようとスーツケースから飛び出し空中を追いかけてきます。

悪霊に触れるともちろん死。残機を失います。2回ほど死んでしまったのですが、なんとなくパターンが見えてきた自分。スーツケースの周りを反時計回りに二回回って、その後は攻撃を避けて…。というパターンで回避ができるようです。まるでゲームみたいだぁ(直喩)

とはいえ夢の中ということもありなかなかスムーズに行かず、なんかこのキャラ使いにくいな、エディットしよと思ったところで夢から覚めました。

 

総評

支離滅裂すぎるし、実在の人物がクソ野郎ナイズされた状態で出てくるし、本当に困った
★☆☆☆☆(1/5)

*1:自分の部屋に泊まるのか…

*2:この人はみなさんのよく知っている人ですが、実名を挙げるのはあまりにNo Goodなので隠しておきます。みなさん自身で、どなただか想像してみてください。

*3:レナウン娘 - ニコニコ動画

*4:ピクセルピエロ」だ!と思ったのは確かです。がそれは何かと言われると説明しづらく、強いて言えばドラクエデスタムーア最終形態のようなモンスターが顔だけで浮いており、そしてその顔は映画「ピクセル」のような3Dでピクセレートされたピエロで、その回りにはBotWのガノンドロフのような煙が渦巻いている、というものでした。マジで何なんだよ

夢日記をつけることにします(次の夢から)

夢日記を付けます

以前、数年(5~6年ほど)夢日記を付けていたのですが、ふとした拍子に夢日記テキストを全消去してしまい、意気消沈、もうこんなことはやめよう。足を洗おうと決意。

とはいえ、機会があったらまた夢日記を付けたいなと思っていた所、はてブで書いたら良い…良くない?という天啓があり、ちょっとやってみるかと思い立った所です。

知っての通り、夢というのは忘れやすく、いつ見るのかタイミングが読めないため、一旦「夢日記を書き始めるよ」という事だけ宣言(define)しておくことにします。