cametekの日記

かめりあの日記です。 http://cametek.jp/ http://twitter.com/cametek/

「U.U.F.O.」に曲コメを書きました

これはどんな記事ですか

2021/07/11に新しいアルバム「U.U.F.O.」をリリースしました!イェ~イ!

http://cametek.jp/uufo/

https://linkco.re/FuN46hdv

https://cametek.bandcamp.com/album/u-u-f-o

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このアルバムは27曲入(CD2枚組!すげえよね)、ギタリストのRichaadEB・ドラマーのThe8BitDrummer・配信者のBTMC・そして「Undertale」「Deltarune」の開発者/作曲者Toby Foxとのコラボ楽曲4曲を収録しています。そして人気スマホ音楽ゲームArcaeaより#1f1e33、アーケード音楽ゲームWACCAよりTHE MUZZLE FACINGのロングバージョン等を収録したスゲーアルバムになっています。頑張りました。Tera I/Oから時間がかかってしまってスンマセン。

実は現在(2021年8月3日)Spotifyでは100万再生、YouTubeでは約130万再生ほどされているとのことで、たくさんの再生ありがとうございます!!

なおアルバムのイラストレーションはBlackmagik Blazingに引き続きTemmieさんに、そしてデザインはTohru Mitsuhashiさんにご担当いただきました!後述しますがUFO&都市伝説をテーマとして、カッコカワイイ奇妙オカルトミステリーという無茶振りに素晴らしいイラストレーション・デザインワークで応えて下さって感謝です。加えて特設サイト(Web)のコーディングはるーくさん(RooandQoo)にご担当いただきました。こちらもアルバムの雰囲気に合ったものになっていますのでぜひ見てみて下さい。ありがとうございます!Thank you so much Temmiesan!

これまでにも「Blackmagik Blazing」や「heart of android」をリリースした際には曲コメを書いたのですが、今回も頑張って27曲分書いてみようと思います…。長くなりますがよろしくお願いします。

アルバム全体のテーマやいろいろ

見ての通り、というかアルバム名の通り、このアルバムはU.F.O., それもU.U.F.O.=Ultra U.F.O.をテーマにしています。ウルトラなUFOに加えて色々な都市伝説インターネット・ロア(インターネット上でまことしやかに語られる真偽不明な噂)が2021年にアップデートされて帰ってきた!これから地球を侵略する!という奇妙でミステリアスな作品を目指して制作していました。

個々の曲コメで解説しますが、例えば「(The) Red * Room」(赤い部屋)「Kisaragi」(きさらぎ駅)のような日本のインターネットロア・インターネットカルチャーや、「SLIME INCIDENT」「CICADA3302」「AREA 52」のような海外の都市伝説・Urban Legend(都市伝説)など幅広く取り揃えてみました。AREA 52やBermuda Δ Triangleは(概ね)現実の存在ですがそうでないものもあったりと幅広い²です。やりたいことが色々あってやってたら2020年の冬予定だったのが2021年の夏になっちゃいましたがその分満足の行くものになったと思います。

ちなみに「Ultra U.F.O.」「Mystery Circles Ultra」という文字の並びは「星のカービィウルトラスーパーデラックス」やその海外版タイトル「Kirby Super Star Ultra」という文字の並びにインスパイアされたものだとかそうでないとか…という都市伝説があるそうです。信じるか信じないかはあなた次第

曲コメタイム

Tr.01 Mystery Circles Ultra / U.U.F.O.

1曲目にして表題曲。"UFOっぽいサウンド"と言えばテルミンという楽器の過剰にビブラートが効いたサウンド、というイメージで作ったら本当にUFOがやってくるみたいな曲になったので表題曲にしました。楽曲タイトル/モチーフは見ての通り「ミステリーサークル」が由来…ですがもはや"ミステリーサークル"が何か知らない人も多いと思いますのでWikipediaなどを読んでみて下さい。前半は200step(この呼び方も定着してスゲー嬉しいですね)で後半は4つ打ちになります。ティザーなどで流れているのもこの曲のイントロ部分周辺ですね!

曲に潜ませたイースターエッグはこんな感じ。

  • 「1, 2, 3, 4, 5, 6, Do it!」のボイスサンプル - みんな大好き!
  • mm2wood.mid*1
  • 「He-he-he-he-here we go!」のボイスサンプル*2
  • 一瞬Among Usになります*3

イースターエッグが多いということはつまり楽しく制作していました。以上。

Tr.02 (The) Red * Room

ホラーテイストのElectro Swing! この手のジャンルの組み合わせは「Nasty * Nasty * Spell」で一度作りましたね。本当に楽しかったので&今回のテーマにぴったりということでまた作ってみました。Electro Swing作るのスゲー楽しい!お気に入りの一曲です。Twitterにプレビューもアップロードしたところ反応が良くて嬉しかったですね。

この曲のモチーフは「赤い部屋」…これももはや分からない人が多いと思いますのでニコニコ大百科を読んで下さい。すみません。こういうインターネットの怖い話(怖いFlash*4)があったんです。

Tr.03 Labyrinth in Kowloon: Walled World

Kowloonは日本語で「九龍(クーロン)」、"九龍城" "九龍城砦"と聞くとピンとくる人もいるのではないでしょうか。すみませんこれも20年以上前の話ですね。分からない人はWikipediaを読んで下さい。

その"九龍城の中の迷宮"というテーマで、オリエンタルで中華風なドラムンベースという内容の楽曲です。後半のハードコア展開は好きな音に仕上げることができてFavoriteです。こちらもTwitterにプレビューを投稿しました、あまりに音と音の間が静かすぎて(というより完璧に「無音」ですが)キャプチャーデバイスのノイズが聴こえる状態になっています。すみません。これが侘び寂び

Tr.04 Electromagnetic Stealth Girl Born In Philadelphia

日本語だと「フィラデルフィアで生まれた電磁的ステルス少女」とかになりますかね。変なタイトルをつけてすみません。いつもすみません。

この楽曲のモチーフは「フィラデルフィア計画」。現在に至るまで(ホント?)都市伝説の絶えないこの実験ですが、せっかくだからアニメとかにありそうな設定で作ってしまおう、と生まれたのがこの曲です。もうそういうキャラっているんですかね?もう居そう。どなたか詳しい方がいましたら教えて下さい。

ジャンルはもちろんElectro! 後半はBPMが110まで下がってTrap/Twerkになります。上がるタイプのソフランでも良かったかもな~と作った後に思いました。以上です。

Tr.05 Жужжалка76

ロシア語で「Buzzer76」みたいな意味です。ちな発音は「Zhuzhzhalka 76 (semdesyat shest)」なので「ズュジュジャルカ セムデシャット シェスト」みたいな感じになりますよ。BPMも176になっていて、ピッタリ揃ってますね。

これまで古い都市伝説ばかりでしたがこちらは現役!1990年代から現在に至るまで発信を続けているロシアの「UVB-76」という短波放送にアイデアを得ています。そして曲中でもサンプリングして使われていますので、ちょっと耳をそばだてて聴いてみて下さい*5

Tr.06 KillerToy

Blackmagik Blazingでは、(今回のアルバムでフィーチャリングしている)BTMCという配信者をテーマに、「KillerBeast」という曲を作りました。今回は音楽ゲームプレイヤーのToyとやろうよ!やろう!の快諾で((

))作ることに。Thank you Toy!

内容は人を襲うオモチャ(Killer Toy)…というちょっとおどろおどろしいテーマで、DrumstepからBasscoreになった上BPMも変わっちゃう盛りだくさんな楽曲になっています。この曲も沢山遊んでもらえたらいいな~!

Tr.07 POLYBIUS GB SPEEDRUN (Glitchless 100% WR in 0:03:57)

「POLYBIUS Gameboy RTA (バグなし100%世界記録 0:03:57)」。POLYBIUSというのはこれも都市伝説に現れる、プレーすると健忘、不眠症夜驚症、幻覚などの副作用に苦しまされる恐ろしいゲーム…ということになっています。ゲームボーイ版も出てたんですね。そしてそのゲームボーイ版のRTA(Speedrun)は3分57秒で終わるらしいです。知らなかった…

聞いて分かる通り、この曲は基本的にゲームボーイの音源を使って作られています。*6 Valangaのリミックスでも同じようなアプローチで制作しましたが、中々音色側の制約が厳しく難しく楽しいですね。

それから、もしかすると既に気付いた人がいるかも知れませんが、曲頭~曲末が3:57になっています。これ調整がムズかった~!苦戦しながら曲名と曲長を合わせてリリースにこぎつけました。という紆余曲折のある曲です。

Tr.08 Tentaclar Aliens' Epic Extraterretterrestrial Jungle Dance Party Inside Of A Super-Ultra-Mega-Gigantic U.F.O. (It Maybe U.U.F.O.) Silently Flying Over Illinois St.

タイトルが長い…!166文字(スペース除146文字)あるらしいです。スゴ。日本語では「イリノイ州の上を音もなく飛行し通過する超ウルトラメガ巨大U.F.O.(もしかしてU.U.F.Oかも)の中の触手エイリアンの壮大な地地球球地外Jungle*7ダンスパーティ」という意味になります。長い。

前半はタイトル通りJungle、後半からはBPM160という利点を生かしてSchranzへと展開していく変速ダンスパーティになっています。曲を通して聴こえる謎言語ボイスはエイリアンの女の子をイメージして入れてみました。いい感じに雰囲気が出ていてお気に入り!

イースターエッグはこんなの。

  • 曲中で使っているStabはこれとかこれが元ネタ*8です。
  • 自分が10年以上前にBGMを20曲くらい提供した、ゆめにっきのファンゲーム「ゆめ2っき」からBGMをサンプリングしています。これです。Amen Breakという同じサンプルを使っているので親和性が高い。

Tr.09 FINAL BLENDERMAN APPEARED. (feat. RichaadEB)

アメリカよりギタリストのRichaadEBをゲストでお迎えした楽曲!Thank you Richaad for playing sick guitar for this track!

このトラックは「ファイナル・ブレンダーマンが現れた。*9」というタイトルで、ボスっぽい強くて速くて力強い楽曲に!もちろんこの曲で主役になっているのはRichaadのギターですが、弾くのが難しそうなフレーズも難なく弾いてくれ最強にクールなラインを送って下さいました。ありがとう。

Tr.10 WYSI (When You See It) 

これは海外の音ゲー界隈で話題になっている"727"という数字についての一種のネタ曲になっています。「気付いた時(あなたが見た時)には」この数字がどこかにある、というジンクスみたいなものですね。以前「7270RTされたら727の曲を作るよ」とツイートした所実際に達成されてしまったので作ることになりました。ありがとうございます。

完全にネタ的なアイデアの曲ではありますが、「ジンクス」というのも一種の噂や迷信みたいなものだったりして、奇妙にこのアルバムのテーマとマッチしていて面白いですね。当然BPMは727のスピードコアです。速い。曲中のサンプルボイスはこちらからです。ありがとうございます。Thank you Aireu & Mismagius!

Tr.11 2021年の魔法使いたち [We Magicians Still Alive in 2021]

こちらは元ネタ*10のない楽曲、エモいゲームミュージックっぽいFutureBassとMelodic Dubstep / Colour Bassの中間みたいなエモい4つ打ちになるエモい曲です。そのとおりです。2021年にも魔法使いが生きていたら、というか生きています、というイメージですこし儚くも明るい楽曲になっています。以前作った「Newspaper for Magicians」は同じようなテーマの楽曲ですね!

CDで聞く場合には、Bonus Trackを除いてこちらの曲がDisk 1の最後の曲となります。Disk 2の最後の曲も明るくエモい楽曲で終わっていますし、なんとなく対称性やハッピーエンド感が出ていていいですね。

Tr.12 Bonus Track 1: ΩΩPARTS

Bonus Track1曲目はOWC2020 Standard Grand final (tiebreaker track)から「ΩΩPARTS」!"オーパーツ"と読みます。Oopartsそのものが既に迷信や陰謀、超常現象、都市伝説などの塊のようなものですので今回のアルバムにピッタリの一曲でした。

Full-Flavor(「熟成された味」と言う意味)と呼ばれるジャンル詰め合わせ的な楽曲になっており、10個か20個くらいのジャンルが入っています。どんなジャンルがあるか調べてみよう!ちなみに自分の好きなオーパーツアンティキティラ島の機械です。

Tr.13 Bonus Track 2: Hello (BPM) 2021

2曲目は今年(2021)の初めに投稿した「Hello (BPM) 2021」!名前の通りBPMが2021のSpeedrun/Extratoneです。速い。怖い。ヤバいダス。歌詞は「2021 2021」です。

2021年は中々に色々なミステリーの多い年となりましたがいかがお過ごしでしょうか。わたしは げんきです。せっかくですのでアルバムにも収録してみました。楽しんで下さい。

Tr.14 AREA 52

久しぶりにかめりあ feat. かめりあ曲を作ってみました。かめりあさん歌ってくれてありがとうございます。

男声歌モノTrap/ロック系Drum'n'Bassと自分の趣味を詰め合わせてみました、みたいな楽曲ですが個人的には歌っていて喉がキツかったので今度作るときはもうちょっと頑張りたいです。

Disk 1の1曲目は表題曲でOP感マシマシですが、こちらはUFOというメインテーマ&UUFOのボイス入り、と裏OP曲のイメージで作ってみました。伝わっているでしょうか?

もちろんこの楽曲のテーマはエリア51。一昨年2019年には実際にネバダ州のArea 51に集結してNARUTO走りでエイリアンを発見するぞというネタイベントが開催されてアツい場所でしたね。実際にUFOがそこにあるのかは不明(無いらしいです!)ですがその夢を込めて曲を作りました。是非エリア51でUFOを見かけた方は教えて下さい。

イースターエッグですがギターのフレーズはここから(28秒くらいから)。MOTHER 2は宇宙人が襲ってくるテーマの作品なので非常にオマージュしています。このギターは宮本茂さんが弾いているらしいですね。

Tr.15 Kisaragi

きさらぎ駅」は2ch/現5chで語られ始めた異界に存在する駅、というインターネット・ロアですが20年近く経つ今でも語られ続けているのはすごいですね。平成から令和まで元号を超えた長生きネットミーム

アルバムに合わせてそんなきさらぎ駅をイメージした、少しミステリアスでArtcore的なキレイな楽曲*11を作ってみました。転調が沢山入っています。制作中どこにいるのか(調が)わからなくなって大変でした。ピアノやストリングス、クワイア(Choir, 教会などの「合唱」のことです)の入ったハードコアっていいですよね~

ちなみに曲中で聴こえてくる列車のサウンドは「異世界」繋がりでここから。最高のゲームです。

Tr.16 Bermuda Δ Triangle (feat. The8BitDrummer)

アメリカから配信者・ドラマーThe8BitDrummerをお招きしました!ありがとうJerod! Thank you so much for your hot sick beats Jerod that's awesome as always!! JerodことThe8BitDrummerはこれまでにも自分の曲を配信でプレーして下さっているのでこちらもぜひ。

MEGALOVANIA (Camellia Remix) On Drums! - YouTube

Camellia - We Could Get More Machinegun Psystyle! (And More Genre Switches) On Drums! - YouTube

Camellia - Crystallized On Drums! - YouTube

Blackmagik Blazingでは「We Could Get More Machingun Psystyle!」でボイスをサンプリングさせてもらったりなどしましたが、今回はドラム演奏をお願いさせてもらいました。

Drumstepを中心にRockin'なドロップが連なるこの楽曲は、もちろんドラムを主体に様々なビートで構成されています。後半はスクエア(16分)と3連が入り混じった複雑なビート感の部分もありドラムと組み合わさっていい感じです。ちなみに今回もボイスをサンプリングさせてもらいましたありがとうJerod。

タイトルは皆さんも御存知の「バミューダトライアングル」。「Δ」とか入れちゃうのが自分、って感じですね。実は「Bermuda Δ(Delta) Triangle」の頭文字は「The8BitDrummer」だったりするのでとてもいいたいとるだなとおもいました。

Tr.17 CICADA3302

CICADA3301」は近年のインターネット・ロアの中でも、後ろに何が潜んでいるのか探ってしまいそうになる壮大な謎、未解決ミステリーでした。(LEMMiNOの動画はわかりやすくまとまっていますので知らない人は是非見てみて下さい)この曲はミステリアスさと不可解をテーマに、奇怪なリズムのTrapとHitechになる楽曲にしてみました。こんな名前にして謎を解くためのヒントがググりにくくなったりしないか心配ですが、ググりにくくなったくらいで解けない謎じゃないですよね。大丈夫だと信じています。

アルバムの中でも長い曲で7分以上ありますが、作っている間はそんな長いこと作っている様に感じなかった曲の1つでもあります。勢い!

Tr.18 SLIME INCIDENT

ミステリーを思わせるフレーズ*12から繰り出されるオカルトチックなPsystyle&Rawstyle Dropという楽曲。イントロのタイトなメインフレーズは重くて分厚くて好みです。

ちなみにタイトルにもなっている「SLIME INCIDENT(=スライム事件)」は、アメリカのバーチャルタレントエージェンシーVShojoのNyannersさんの動画から頂きました。VShojoさんには以前自分の曲をティザームービーに使って頂いたという縁で仲良くしてもらっています。+多数ボイスをサンプリングさせて頂いています。楽曲内ではスライムのネチョネチョを思わせるSFXがいっぱい入っていてとてもリアルです。

なんか実在の事件っぽくて(実在ですが)(事件ですが)、このアルバムに素敵にマッチしていると思います。ありがとうございます。Thank you so much for your kindness Nyanners!

Tr.19 The Cat Evolved Into The Microwave-proof Cat!

こちらは普段からお世話になっているプラグインメーカーKiloheartsの主力ソフトシンセ「Phase Plant」のプリセット集(未公開!乞うご期待)のデモソングとしてリリースされた楽曲を使わせて頂きました!Thank you Stu & Kilohearts, phase plant is absolutely awesome. This track is all thanks to you guys!

というわけで、ドラムや一部FX、声ネタを除いたほぼすべてのトラックがPhase Plantで作られている楽曲です。ベース?Phase Plant! リード?Phase Plant! という欲張りトラックになっております。ダブステップやHDM, 昨今話題のSpeed Houseをベースに、少しコミカルで猫っぽいサウンドになってます!

ちなみに現在はHookupさんで「創造性無限シンセ phase plant ビギナーズガイド by かめりあ」を連載しています!この楽曲では途中に出てくるチップチューン系の音色やフォルマントフィルタっぽい音色(KiloheartsのプラグインにもFormant Filterがありますがそれではなかったりして!)がお気に入りの音色です。もちろんPhase Plantで作ってます!のでガイドも見ながら是非使ってみてくださいね~。

Tr.20 ゾンビー・サーカス (ZOMBIE CIRCUS) feat. 初音ミク

VOCALOID曲、久しぶりに作りました!ボカロ曲を作ったのはこのアルバムにも収録されている「大地の閾を探して」以来ですね。せっかくなので「Splatter Party」系のスプラッターホラーをテーマにした、怖くて重くて激しい曲を作ってみました。

VOCALOIDにTearout DubstepとRawstyleが合わさり、そして3拍子系のフレーズと3連符がポリリズムになっている、と音楽的にも要素大盛りな曲ですがなかなか上手にまとまってよかった!

ちなみに「ゾンビー・サーカス」に元ネタはないですがこれもMOTHER 2からコイツがモチーフになっている気がします。多分。

Tr.21 t/a/n/a/s/i/n/n

「考えるな、感じろ(Don't think, feel)」といえば燃えよドラゴンですが、「考えるな、感じろ、その時tanasinnになれる(Don't think, feel, then you'll be tanasinn)」といえばtanasinn.ですね*13。これもインターネット発祥のmeme, あるいはある種のインターネット・ロアとも言えるかもしれません。という気持ちで一曲書きました。

tanasinn」は言葉で表現するのが難しいですが、"シュールリアリズムでランダムな、既知のものが崩壊することへの恐怖"と言うのが近いかもしれません。そんなイメージのめちゃくちゃでChaoticなスピードコアとして作ってみました。…という説明を聞く前に感じてみて下さい。なにとぞ。

このアルバムを通じて「和音の平行移動」のミステリアスさを追求してみました。t/a/n/a/s/i/n/nではメインのフレーズがそもそも和音の平行移動単体だったりして、そういった意味でも面白い曲になっているんじゃないかな~~~~~~~と思っています。

Tr.22 Purge My Existence Out Of This World (feat. BTMC)

こちらは配信者であり音楽ゲームプレイヤーのBTMC(旧BeasttrollMC, KillerBeastでは色々サンプリングさせて頂きました)をついにfeaturingしたUK Hardcore! Thank you Ed we made an awesome track thanks to you!

タイトルは「この世界から私の存在を追放してくれ」。以前の配信で(その配信のアーカイブや資料を無くしてしまいましたが)Edが「…ってCamelliaの曲のタイトルみたいだね」と言っていたのを輸入して更に彼と一緒に曲まで作ってしまいました。ありがとうございます。ボイスを沢山提供してもらい曲に最強のシャウトが入っています。

この世界から追放されるかのような(本当?)綺麗かつ激しさのある変則ドロップや、Exit This Earth's Atomosphereの声ネタが入ってきて地球からも追放される展開などが入っています。この曲は偶然の産物であって曲名に元ネタがあったりするわけではないのですが、何かとテーマに沿っているのが面白いですよね。

Tr.23 GHOUL

Beat Saber最強の曲といえばGHOSTですが、ついに続編を作りました…その名も「GHOUL」!以前から続編を作りたいと言っていたのですがついに念願叶って作ることができました。「グール」はアラブの伝説に現れ、墓を漁って人間の死体を食べたりする怪物…とのことです。そうだったんだ…

そんなGHOULを思わせる(本当?)禍々しく重たいストリングスやチェンバロ、チャーチオルガンなどを(GHOSTから引き続き)活かして激しいTwerk / Hardcoreとして収録しました。

この曲では楽曲タイトルをBeat Saberの(MOD楽曲)Mapperで「GHOST」最凶の譜面を作って下さったDunkruptMemerに、楽曲内の一部ボイスサンプルとしてBeat Saberのプレイヤーであり配信者のwoopsさんに録って頂きました!Beat Saberからは沢山の方と関わるきっかけができて嬉しかったですね…という気持ちを込めながらこの曲を作った気がします。Thank you for your help this time!! You make the song really special and amazing!

Tr.24 Myths You Forgot (feat. Toby Fox)

アルバム内(Bonus Trackを除いて)最後の曲にして最後のfeaturing楽曲は「Undertale」「Deltarune」の制作者かつ作曲者のToby Foxと一緒に曲を作りました。このアルバムのイラストを担当して下さったTemmieさんとは3人でDweller's Empty PathというゲームのBGMを作ったことがあり、また一緒にモノを作る事ができて嬉しい限りです!Thank you Toby for making the best melodies. They are fantastic. I appreciate your kindness again!

日本語では「あなたが忘れた神話/作り話(たち)」という意味になります。Tobyは怪我から最近作業を長時間続けるのが難しいと言っていて*14、今回の合作では主に自分が本作業を担当しTobyは狭義の作曲部分を担当するという形を取りました。メロディやコードワークには彼の昔懐かしい、心温まるようなセンスが表れていて自分一人では全くできない曲ができあがったなと深く感動しています。本当です。

この曲については本当に心から聴いて頂いた方が早いと思いますので是非聴いて下さい。何か語りたいことが思いついたらまた語ります!

Tr.25 Bonus Track 3: THE MUZZLE FACING (Long muzzled version)

Disk 1に引き続き、Bonus Track 3はWACCAよりTHE MUZZLE FACINGのロング版!

更にストイックにメタルとドロップのタイトな融合を試みたロング版になっています。原曲のフレーズをそのままに、新たに歪んだキックやベースドロップなどを追加した、より重たくて全くスッキリしない、ドロドロして暑苦しいバージョンになっています。"獣"って感じですよね。

メタル調のイントロが地味にお気に入りです。

Tr.26 Bonus Track 4: #1f1e33 (#00102g version)

そしてBonus Track 4はArcaeaより#1f1e33のロングバージョン!「g」はカラーコードにねえから、という感じのタイトルになっております。

THE MUZZLE FACINGが勢いと重さなら、こちらはテクニカルでより華麗なロングバージョン、という感じ…ですかね多分。転調(調が変わることです)やバイオリンのフレーズ、新たにピアノのフレーズやドロップなどが増えバリエーション豊かになっております。こっちもイントロがお気に入り。ピアノ。#1f1e33は「夜の最も暗い時間の空の色」をイメージして作った楽曲だったので、このアルバムのおどろおどろしさとマッチしていて素敵な気がします。本当です。そういうことにしておきましょう。

ちなみに後半のハードコアになるドロップ部分は、原曲のドロップをどうにも伸ばしにくく、でもここはもっと長く聴きたいよな…と思った結果転調とドロップのフレーズを変えながら変化し続ける形になりました。個人的には多彩で良いかな、と思ったんですがどうでしょうか。

Tr.27 Bonus Track 5: 大地の閾を探して [Looking for Edge of Ground] 

Bonus Track 5, 最後の一曲はツイッターフォロワー8万人記念に作ったこの楽曲。

「この世界が『終わりを迎えることのない偽りの世界』であることを証明するために大地の端を探しに行く」というテーマの曲で、これもミクさんの歌唱によるボカロ曲ですがこのアルバムに完璧にマッチしていたので収録しました。地球平面説とか。

そもそも8分もある楽曲で、収録しようとするとCDの最大収録時間である80分のうち1割強を持っていかれてしまうことから実は一度は収録を諦めました。しかしその後、「80分」という枠組みで何かを諦めたり切り詰めたりするくらいなら2枚組にしよう、と思い立ち収録へ!結果2時間を超えるクソ化け物アルバムになったのは怪我の功名というか、それ自体が怪我というか…。お気に入りの曲なので楽しんでもらえると嬉しいです。

以上です

この記事書くの12時間かかりました。スゲー疲れた。

という27曲(新規曲22曲!さすがにスゲー)、2時間強の収録時間のU.U.F.O.は、何かとテーマに沿って作ったりそうでなかったりしつつも、全体として非常にバラエティに富んでいながら統一感もあり、大変スゲーアルバムになったと思います。これも全て支えてくださっている皆さんのおかげであり、また特にfeatureさせていただいたミュージシャン・友人、それからTemmieさんトールさんるーくさんを始めクリエイターの皆さんのおかげであると思います。本当にありがとうございます。

明らかに過去最大級のものを作った、という自覚があるので次の作品をどうしようか既に困っているところはあるのですが作るのはやめませんのでお楽しみに。(今も忙しくしています)

それでは、かめりあでした!ご覧頂きありがとうございました!いっぱい聴いてね!

*1:

www.youtube.com

*2:

www.youtube.com

*3:

www.youtube.com

*4:

ja.wikipedia.org

*5:

UVB-76 "The Buzzer" Unsolved Mystery Sound (12 Hours) - YouTube

*6:ちなみに自分が使っているのはchipsounds!良いシンセです。実機じゃないのでチップチューン過激派に○されます

*7:これは音楽ジャンルのJungleを指しています

*8:とはいえ、実はMOTHER2のこのサウンドにも更にサンプル元があります。

*9:「スレンダーマン / Slenderman」は名称として権利が取得されており使えないらしいです。のでこんな形で…

*10:とはいえ、仮に元ネタが全曲にあるアルバムだったらそれもそれで変な話よ

*11:自分で自分の曲をキレイとかいうのは憚られる所もあります

*12:これが全ての大元、という説もあります:

www.youtube.com

*13:なおドロップ前の声ネタはそのまま"Don't think, feel"です

*14:詳しくは公式の文章か翻訳を読んで下さい DELTARUNE Status Update - Sept 2020