cametekの日記

かめりあの日記です。 http://cametek.jp/ http://twitter.com/cametek/

「U.U.F.O.」に曲コメを書きました

これはどんな記事ですか

2021/07/11に新しいアルバム「U.U.F.O.」をリリースしました!イェ~イ!

http://cametek.jp/uufo/

https://linkco.re/FuN46hdv

https://cametek.bandcamp.com/album/u-u-f-o

f:id:cametek:20210702103508j:plain

このアルバムは27曲入(CD2枚組!すげえよね)、ギタリストのRichaadEB・ドラマーのThe8BitDrummer・配信者のBTMC・そして「Undertale」「Deltarune」の開発者/作曲者Toby Foxとのコラボ楽曲4曲を収録しています。そして人気スマホ音楽ゲームArcaeaより#1f1e33、アーケード音楽ゲームWACCAよりTHE MUZZLE FACINGのロングバージョン等を収録したスゲーアルバムになっています。頑張りました。Tera I/Oから時間がかかってしまってスンマセン。

実は現在(2021年8月3日)Spotifyでは100万再生、YouTubeでは約130万再生ほどされているとのことで、たくさんの再生ありがとうございます!!

なおアルバムのイラストレーションはBlackmagik Blazingに引き続きTemmieさんに、そしてデザインはTohru Mitsuhashiさんにご担当いただきました!後述しますがUFO&都市伝説をテーマとして、カッコカワイイ奇妙オカルトミステリーという無茶振りに素晴らしいイラストレーション・デザインワークで応えて下さって感謝です。加えて特設サイト(Web)のコーディングはるーくさん(RooandQoo)にご担当いただきました。こちらもアルバムの雰囲気に合ったものになっていますのでぜひ見てみて下さい。ありがとうございます!Thank you so much Temmiesan!

これまでにも「Blackmagik Blazing」や「heart of android」をリリースした際には曲コメを書いたのですが、今回も頑張って27曲分書いてみようと思います…。長くなりますがよろしくお願いします。

アルバム全体のテーマやいろいろ

見ての通り、というかアルバム名の通り、このアルバムはU.F.O., それもU.U.F.O.=Ultra U.F.O.をテーマにしています。ウルトラなUFOに加えて色々な都市伝説インターネット・ロア(インターネット上でまことしやかに語られる真偽不明な噂)が2021年にアップデートされて帰ってきた!これから地球を侵略する!という奇妙でミステリアスな作品を目指して制作していました。

個々の曲コメで解説しますが、例えば「(The) Red * Room」(赤い部屋)「Kisaragi」(きさらぎ駅)のような日本のインターネットロア・インターネットカルチャーや、「SLIME INCIDENT」「CICADA3302」「AREA 52」のような海外の都市伝説・Urban Legend(都市伝説)など幅広く取り揃えてみました。AREA 52やBermuda Δ Triangleは(概ね)現実の存在ですがそうでないものもあったりと幅広い²です。やりたいことが色々あってやってたら2020年の冬予定だったのが2021年の夏になっちゃいましたがその分満足の行くものになったと思います。

ちなみに「Ultra U.F.O.」「Mystery Circles Ultra」という文字の並びは「星のカービィウルトラスーパーデラックス」やその海外版タイトル「Kirby Super Star Ultra」という文字の並びにインスパイアされたものだとかそうでないとか…という都市伝説があるそうです。信じるか信じないかはあなた次第

曲コメタイム

Tr.01 Mystery Circles Ultra / U.U.F.O.

1曲目にして表題曲。"UFOっぽいサウンド"と言えばテルミンという楽器の過剰にビブラートが効いたサウンド、というイメージで作ったら本当にUFOがやってくるみたいな曲になったので表題曲にしました。楽曲タイトル/モチーフは見ての通り「ミステリーサークル」が由来…ですがもはや"ミステリーサークル"が何か知らない人も多いと思いますのでWikipediaなどを読んでみて下さい。前半は200step(この呼び方も定着してスゲー嬉しいですね)で後半は4つ打ちになります。ティザーなどで流れているのもこの曲のイントロ部分周辺ですね!

曲に潜ませたイースターエッグはこんな感じ。

  • 「1, 2, 3, 4, 5, 6, Do it!」のボイスサンプル - みんな大好き!
  • mm2wood.mid*1
  • 「He-he-he-he-here we go!」のボイスサンプル*2
  • 一瞬Among Usになります*3

イースターエッグが多いということはつまり楽しく制作していました。以上。

Tr.02 (The) Red * Room

ホラーテイストのElectro Swing! この手のジャンルの組み合わせは「Nasty * Nasty * Spell」で一度作りましたね。本当に楽しかったので&今回のテーマにぴったりということでまた作ってみました。Electro Swing作るのスゲー楽しい!お気に入りの一曲です。Twitterにプレビューもアップロードしたところ反応が良くて嬉しかったですね。

この曲のモチーフは「赤い部屋」…これももはや分からない人が多いと思いますのでニコニコ大百科を読んで下さい。すみません。こういうインターネットの怖い話(怖いFlash*4)があったんです。

Tr.03 Labyrinth in Kowloon: Walled World

Kowloonは日本語で「九龍(クーロン)」、"九龍城" "九龍城砦"と聞くとピンとくる人もいるのではないでしょうか。すみませんこれも20年以上前の話ですね。分からない人はWikipediaを読んで下さい。

その"九龍城の中の迷宮"というテーマで、オリエンタルで中華風なドラムンベースという内容の楽曲です。後半のハードコア展開は好きな音に仕上げることができてFavoriteです。こちらもTwitterにプレビューを投稿しました、あまりに音と音の間が静かすぎて(というより完璧に「無音」ですが)キャプチャーデバイスのノイズが聴こえる状態になっています。すみません。これが侘び寂び

Tr.04 Electromagnetic Stealth Girl Born In Philadelphia

日本語だと「フィラデルフィアで生まれた電磁的ステルス少女」とかになりますかね。変なタイトルをつけてすみません。いつもすみません。

この楽曲のモチーフは「フィラデルフィア計画」。現在に至るまで(ホント?)都市伝説の絶えないこの実験ですが、せっかくだからアニメとかにありそうな設定で作ってしまおう、と生まれたのがこの曲です。もうそういうキャラっているんですかね?もう居そう。どなたか詳しい方がいましたら教えて下さい。

ジャンルはもちろんElectro! 後半はBPMが110まで下がってTrap/Twerkになります。上がるタイプのソフランでも良かったかもな~と作った後に思いました。以上です。

Tr.05 Жужжалка76

ロシア語で「Buzzer76」みたいな意味です。ちな発音は「Zhuzhzhalka 76 (semdesyat shest)」なので「ズュジュジャルカ セムデシャット シェスト」みたいな感じになりますよ。BPMも176になっていて、ピッタリ揃ってますね。

これまで古い都市伝説ばかりでしたがこちらは現役!1990年代から現在に至るまで発信を続けているロシアの「UVB-76」という短波放送にアイデアを得ています。そして曲中でもサンプリングして使われていますので、ちょっと耳をそばだてて聴いてみて下さい*5

Tr.06 KillerToy

Blackmagik Blazingでは、(今回のアルバムでフィーチャリングしている)BTMCという配信者をテーマに、「KillerBeast」という曲を作りました。今回は音楽ゲームプレイヤーのToyとやろうよ!やろう!の快諾で((

))作ることに。Thank you Toy!

内容は人を襲うオモチャ(Killer Toy)…というちょっとおどろおどろしいテーマで、DrumstepからBasscoreになった上BPMも変わっちゃう盛りだくさんな楽曲になっています。この曲も沢山遊んでもらえたらいいな~!

Tr.07 POLYBIUS GB SPEEDRUN (Glitchless 100% WR in 0:03:57)

「POLYBIUS Gameboy RTA (バグなし100%世界記録 0:03:57)」。POLYBIUSというのはこれも都市伝説に現れる、プレーすると健忘、不眠症夜驚症、幻覚などの副作用に苦しまされる恐ろしいゲーム…ということになっています。ゲームボーイ版も出てたんですね。そしてそのゲームボーイ版のRTA(Speedrun)は3分57秒で終わるらしいです。知らなかった…

聞いて分かる通り、この曲は基本的にゲームボーイの音源を使って作られています。*6 Valangaのリミックスでも同じようなアプローチで制作しましたが、中々音色側の制約が厳しく難しく楽しいですね。

それから、もしかすると既に気付いた人がいるかも知れませんが、曲頭~曲末が3:57になっています。これ調整がムズかった~!苦戦しながら曲名と曲長を合わせてリリースにこぎつけました。という紆余曲折のある曲です。

Tr.08 Tentaclar Aliens' Epic Extraterretterrestrial Jungle Dance Party Inside Of A Super-Ultra-Mega-Gigantic U.F.O. (It Maybe U.U.F.O.) Silently Flying Over Illinois St.

タイトルが長い…!166文字(スペース除146文字)あるらしいです。スゴ。日本語では「イリノイ州の上を音もなく飛行し通過する超ウルトラメガ巨大U.F.O.(もしかしてU.U.F.Oかも)の中の触手エイリアンの壮大な地地球球地外Jungle*7ダンスパーティ」という意味になります。長い。

前半はタイトル通りJungle、後半からはBPM160という利点を生かしてSchranzへと展開していく変速ダンスパーティになっています。曲を通して聴こえる謎言語ボイスはエイリアンの女の子をイメージして入れてみました。いい感じに雰囲気が出ていてお気に入り!

イースターエッグはこんなの。

  • 曲中で使っているStabはこれとかこれが元ネタ*8です。
  • 自分が10年以上前にBGMを20曲くらい提供した、ゆめにっきのファンゲーム「ゆめ2っき」からBGMをサンプリングしています。これです。Amen Breakという同じサンプルを使っているので親和性が高い。

Tr.09 FINAL BLENDERMAN APPEARED. (feat. RichaadEB)

アメリカよりギタリストのRichaadEBをゲストでお迎えした楽曲!Thank you Richaad for playing sick guitar for this track!

このトラックは「ファイナル・ブレンダーマンが現れた。*9」というタイトルで、ボスっぽい強くて速くて力強い楽曲に!もちろんこの曲で主役になっているのはRichaadのギターですが、弾くのが難しそうなフレーズも難なく弾いてくれ最強にクールなラインを送って下さいました。ありがとう。

Tr.10 WYSI (When You See It) 

これは海外の音ゲー界隈で話題になっている"727"という数字についての一種のネタ曲になっています。「気付いた時(あなたが見た時)には」この数字がどこかにある、というジンクスみたいなものですね。以前「7270RTされたら727の曲を作るよ」とツイートした所実際に達成されてしまったので作ることになりました。ありがとうございます。

完全にネタ的なアイデアの曲ではありますが、「ジンクス」というのも一種の噂や迷信みたいなものだったりして、奇妙にこのアルバムのテーマとマッチしていて面白いですね。当然BPMは727のスピードコアです。速い。曲中のサンプルボイスはこちらからです。ありがとうございます。Thank you Aireu & Mismagius!

Tr.11 2021年の魔法使いたち [We Magicians Still Alive in 2021]

こちらは元ネタ*10のない楽曲、エモいゲームミュージックっぽいFutureBassとMelodic Dubstep / Colour Bassの中間みたいなエモい4つ打ちになるエモい曲です。そのとおりです。2021年にも魔法使いが生きていたら、というか生きています、というイメージですこし儚くも明るい楽曲になっています。以前作った「Newspaper for Magicians」は同じようなテーマの楽曲ですね!

CDで聞く場合には、Bonus Trackを除いてこちらの曲がDisk 1の最後の曲となります。Disk 2の最後の曲も明るくエモい楽曲で終わっていますし、なんとなく対称性やハッピーエンド感が出ていていいですね。

Tr.12 Bonus Track 1: ΩΩPARTS

Bonus Track1曲目はOWC2020 Standard Grand final (tiebreaker track)から「ΩΩPARTS」!"オーパーツ"と読みます。Oopartsそのものが既に迷信や陰謀、超常現象、都市伝説などの塊のようなものですので今回のアルバムにピッタリの一曲でした。

Full-Flavor(「熟成された味」と言う意味)と呼ばれるジャンル詰め合わせ的な楽曲になっており、10個か20個くらいのジャンルが入っています。どんなジャンルがあるか調べてみよう!ちなみに自分の好きなオーパーツアンティキティラ島の機械です。

Tr.13 Bonus Track 2: Hello (BPM) 2021

2曲目は今年(2021)の初めに投稿した「Hello (BPM) 2021」!名前の通りBPMが2021のSpeedrun/Extratoneです。速い。怖い。ヤバいダス。歌詞は「2021 2021」です。

2021年は中々に色々なミステリーの多い年となりましたがいかがお過ごしでしょうか。わたしは げんきです。せっかくですのでアルバムにも収録してみました。楽しんで下さい。

Tr.14 AREA 52

久しぶりにかめりあ feat. かめりあ曲を作ってみました。かめりあさん歌ってくれてありがとうございます。

男声歌モノTrap/ロック系Drum'n'Bassと自分の趣味を詰め合わせてみました、みたいな楽曲ですが個人的には歌っていて喉がキツかったので今度作るときはもうちょっと頑張りたいです。

Disk 1の1曲目は表題曲でOP感マシマシですが、こちらはUFOというメインテーマ&UUFOのボイス入り、と裏OP曲のイメージで作ってみました。伝わっているでしょうか?

もちろんこの楽曲のテーマはエリア51。一昨年2019年には実際にネバダ州のArea 51に集結してNARUTO走りでエイリアンを発見するぞというネタイベントが開催されてアツい場所でしたね。実際にUFOがそこにあるのかは不明(無いらしいです!)ですがその夢を込めて曲を作りました。是非エリア51でUFOを見かけた方は教えて下さい。

イースターエッグですがギターのフレーズはここから(28秒くらいから)。MOTHER 2は宇宙人が襲ってくるテーマの作品なので非常にオマージュしています。このギターは宮本茂さんが弾いているらしいですね。

Tr.15 Kisaragi

きさらぎ駅」は2ch/現5chで語られ始めた異界に存在する駅、というインターネット・ロアですが20年近く経つ今でも語られ続けているのはすごいですね。平成から令和まで元号を超えた長生きネットミーム

アルバムに合わせてそんなきさらぎ駅をイメージした、少しミステリアスでArtcore的なキレイな楽曲*11を作ってみました。転調が沢山入っています。制作中どこにいるのか(調が)わからなくなって大変でした。ピアノやストリングス、クワイア(Choir, 教会などの「合唱」のことです)の入ったハードコアっていいですよね~

ちなみに曲中で聴こえてくる列車のサウンドは「異世界」繋がりでここから。最高のゲームです。

Tr.16 Bermuda Δ Triangle (feat. The8BitDrummer)

アメリカから配信者・ドラマーThe8BitDrummerをお招きしました!ありがとうJerod! Thank you so much for your hot sick beats Jerod that's awesome as always!! JerodことThe8BitDrummerはこれまでにも自分の曲を配信でプレーして下さっているのでこちらもぜひ。

MEGALOVANIA (Camellia Remix) On Drums! - YouTube

Camellia - We Could Get More Machinegun Psystyle! (And More Genre Switches) On Drums! - YouTube

Camellia - Crystallized On Drums! - YouTube

Blackmagik Blazingでは「We Could Get More Machingun Psystyle!」でボイスをサンプリングさせてもらったりなどしましたが、今回はドラム演奏をお願いさせてもらいました。

Drumstepを中心にRockin'なドロップが連なるこの楽曲は、もちろんドラムを主体に様々なビートで構成されています。後半はスクエア(16分)と3連が入り混じった複雑なビート感の部分もありドラムと組み合わさっていい感じです。ちなみに今回もボイスをサンプリングさせてもらいましたありがとうJerod。

タイトルは皆さんも御存知の「バミューダトライアングル」。「Δ」とか入れちゃうのが自分、って感じですね。実は「Bermuda Δ(Delta) Triangle」の頭文字は「The8BitDrummer」だったりするのでとてもいいたいとるだなとおもいました。

Tr.17 CICADA3302

CICADA3301」は近年のインターネット・ロアの中でも、後ろに何が潜んでいるのか探ってしまいそうになる壮大な謎、未解決ミステリーでした。(LEMMiNOの動画はわかりやすくまとまっていますので知らない人は是非見てみて下さい)この曲はミステリアスさと不可解をテーマに、奇怪なリズムのTrapとHitechになる楽曲にしてみました。こんな名前にして謎を解くためのヒントがググりにくくなったりしないか心配ですが、ググりにくくなったくらいで解けない謎じゃないですよね。大丈夫だと信じています。

アルバムの中でも長い曲で7分以上ありますが、作っている間はそんな長いこと作っている様に感じなかった曲の1つでもあります。勢い!

Tr.18 SLIME INCIDENT

ミステリーを思わせるフレーズ*12から繰り出されるオカルトチックなPsystyle&Rawstyle Dropという楽曲。イントロのタイトなメインフレーズは重くて分厚くて好みです。

ちなみにタイトルにもなっている「SLIME INCIDENT(=スライム事件)」は、アメリカのバーチャルタレントエージェンシーVShojoのNyannersさんの動画から頂きました。VShojoさんには以前自分の曲をティザームービーに使って頂いたという縁で仲良くしてもらっています。+多数ボイスをサンプリングさせて頂いています。楽曲内ではスライムのネチョネチョを思わせるSFXがいっぱい入っていてとてもリアルです。

なんか実在の事件っぽくて(実在ですが)(事件ですが)、このアルバムに素敵にマッチしていると思います。ありがとうございます。Thank you so much for your kindness Nyanners!

Tr.19 The Cat Evolved Into The Microwave-proof Cat!

こちらは普段からお世話になっているプラグインメーカーKiloheartsの主力ソフトシンセ「Phase Plant」のプリセット集(未公開!乞うご期待)のデモソングとしてリリースされた楽曲を使わせて頂きました!Thank you Stu & Kilohearts, phase plant is absolutely awesome. This track is all thanks to you guys!

というわけで、ドラムや一部FX、声ネタを除いたほぼすべてのトラックがPhase Plantで作られている楽曲です。ベース?Phase Plant! リード?Phase Plant! という欲張りトラックになっております。ダブステップやHDM, 昨今話題のSpeed Houseをベースに、少しコミカルで猫っぽいサウンドになってます!

ちなみに現在はHookupさんで「創造性無限シンセ phase plant ビギナーズガイド by かめりあ」を連載しています!この楽曲では途中に出てくるチップチューン系の音色やフォルマントフィルタっぽい音色(KiloheartsのプラグインにもFormant Filterがありますがそれではなかったりして!)がお気に入りの音色です。もちろんPhase Plantで作ってます!のでガイドも見ながら是非使ってみてくださいね~。

Tr.20 ゾンビー・サーカス (ZOMBIE CIRCUS) feat. 初音ミク

VOCALOID曲、久しぶりに作りました!ボカロ曲を作ったのはこのアルバムにも収録されている「大地の閾を探して」以来ですね。せっかくなので「Splatter Party」系のスプラッターホラーをテーマにした、怖くて重くて激しい曲を作ってみました。

VOCALOIDにTearout DubstepとRawstyleが合わさり、そして3拍子系のフレーズと3連符がポリリズムになっている、と音楽的にも要素大盛りな曲ですがなかなか上手にまとまってよかった!

ちなみに「ゾンビー・サーカス」に元ネタはないですがこれもMOTHER 2からコイツがモチーフになっている気がします。多分。

Tr.21 t/a/n/a/s/i/n/n

「考えるな、感じろ(Don't think, feel)」といえば燃えよドラゴンですが、「考えるな、感じろ、その時tanasinnになれる(Don't think, feel, then you'll be tanasinn)」といえばtanasinn.ですね*13。これもインターネット発祥のmeme, あるいはある種のインターネット・ロアとも言えるかもしれません。という気持ちで一曲書きました。

tanasinn」は言葉で表現するのが難しいですが、"シュールリアリズムでランダムな、既知のものが崩壊することへの恐怖"と言うのが近いかもしれません。そんなイメージのめちゃくちゃでChaoticなスピードコアとして作ってみました。…という説明を聞く前に感じてみて下さい。なにとぞ。

このアルバムを通じて「和音の平行移動」のミステリアスさを追求してみました。t/a/n/a/s/i/n/nではメインのフレーズがそもそも和音の平行移動単体だったりして、そういった意味でも面白い曲になっているんじゃないかな~~~~~~~と思っています。

Tr.22 Purge My Existence Out Of This World (feat. BTMC)

こちらは配信者であり音楽ゲームプレイヤーのBTMC(旧BeasttrollMC, KillerBeastでは色々サンプリングさせて頂きました)をついにfeaturingしたUK Hardcore! Thank you Ed we made an awesome track thanks to you!

タイトルは「この世界から私の存在を追放してくれ」。以前の配信で(その配信のアーカイブや資料を無くしてしまいましたが)Edが「…ってCamelliaの曲のタイトルみたいだね」と言っていたのを輸入して更に彼と一緒に曲まで作ってしまいました。ありがとうございます。ボイスを沢山提供してもらい曲に最強のシャウトが入っています。

この世界から追放されるかのような(本当?)綺麗かつ激しさのある変則ドロップや、Exit This Earth's Atomosphereの声ネタが入ってきて地球からも追放される展開などが入っています。この曲は偶然の産物であって曲名に元ネタがあったりするわけではないのですが、何かとテーマに沿っているのが面白いですよね。

Tr.23 GHOUL

Beat Saber最強の曲といえばGHOSTですが、ついに続編を作りました…その名も「GHOUL」!以前から続編を作りたいと言っていたのですがついに念願叶って作ることができました。「グール」はアラブの伝説に現れ、墓を漁って人間の死体を食べたりする怪物…とのことです。そうだったんだ…

そんなGHOULを思わせる(本当?)禍々しく重たいストリングスやチェンバロ、チャーチオルガンなどを(GHOSTから引き続き)活かして激しいTwerk / Hardcoreとして収録しました。

この曲では楽曲タイトルをBeat Saberの(MOD楽曲)Mapperで「GHOST」最凶の譜面を作って下さったDunkruptMemerに、楽曲内の一部ボイスサンプルとしてBeat Saberのプレイヤーであり配信者のwoopsさんに録って頂きました!Beat Saberからは沢山の方と関わるきっかけができて嬉しかったですね…という気持ちを込めながらこの曲を作った気がします。Thank you for your help this time!! You make the song really special and amazing!

Tr.24 Myths You Forgot (feat. Toby Fox)

アルバム内(Bonus Trackを除いて)最後の曲にして最後のfeaturing楽曲は「Undertale」「Deltarune」の制作者かつ作曲者のToby Foxと一緒に曲を作りました。このアルバムのイラストを担当して下さったTemmieさんとは3人でDweller's Empty PathというゲームのBGMを作ったことがあり、また一緒にモノを作る事ができて嬉しい限りです!Thank you Toby for making the best melodies. They are fantastic. I appreciate your kindness again!

日本語では「あなたが忘れた神話/作り話(たち)」という意味になります。Tobyは怪我から最近作業を長時間続けるのが難しいと言っていて*14、今回の合作では主に自分が本作業を担当しTobyは狭義の作曲部分を担当するという形を取りました。メロディやコードワークには彼の昔懐かしい、心温まるようなセンスが表れていて自分一人では全くできない曲ができあがったなと深く感動しています。本当です。

この曲については本当に心から聴いて頂いた方が早いと思いますので是非聴いて下さい。何か語りたいことが思いついたらまた語ります!

Tr.25 Bonus Track 3: THE MUZZLE FACING (Long muzzled version)

Disk 1に引き続き、Bonus Track 3はWACCAよりTHE MUZZLE FACINGのロング版!

更にストイックにメタルとドロップのタイトな融合を試みたロング版になっています。原曲のフレーズをそのままに、新たに歪んだキックやベースドロップなどを追加した、より重たくて全くスッキリしない、ドロドロして暑苦しいバージョンになっています。"獣"って感じですよね。

メタル調のイントロが地味にお気に入りです。

Tr.26 Bonus Track 4: #1f1e33 (#00102g version)

そしてBonus Track 4はArcaeaより#1f1e33のロングバージョン!「g」はカラーコードにねえから、という感じのタイトルになっております。

THE MUZZLE FACINGが勢いと重さなら、こちらはテクニカルでより華麗なロングバージョン、という感じ…ですかね多分。転調(調が変わることです)やバイオリンのフレーズ、新たにピアノのフレーズやドロップなどが増えバリエーション豊かになっております。こっちもイントロがお気に入り。ピアノ。#1f1e33は「夜の最も暗い時間の空の色」をイメージして作った楽曲だったので、このアルバムのおどろおどろしさとマッチしていて素敵な気がします。本当です。そういうことにしておきましょう。

ちなみに後半のハードコアになるドロップ部分は、原曲のドロップをどうにも伸ばしにくく、でもここはもっと長く聴きたいよな…と思った結果転調とドロップのフレーズを変えながら変化し続ける形になりました。個人的には多彩で良いかな、と思ったんですがどうでしょうか。

Tr.27 Bonus Track 5: 大地の閾を探して [Looking for Edge of Ground] 

Bonus Track 5, 最後の一曲はツイッターフォロワー8万人記念に作ったこの楽曲。

「この世界が『終わりを迎えることのない偽りの世界』であることを証明するために大地の端を探しに行く」というテーマの曲で、これもミクさんの歌唱によるボカロ曲ですがこのアルバムに完璧にマッチしていたので収録しました。地球平面説とか。

そもそも8分もある楽曲で、収録しようとするとCDの最大収録時間である80分のうち1割強を持っていかれてしまうことから実は一度は収録を諦めました。しかしその後、「80分」という枠組みで何かを諦めたり切り詰めたりするくらいなら2枚組にしよう、と思い立ち収録へ!結果2時間を超えるクソ化け物アルバムになったのは怪我の功名というか、それ自体が怪我というか…。お気に入りの曲なので楽しんでもらえると嬉しいです。

以上です

この記事書くの12時間かかりました。スゲー疲れた。

という27曲(新規曲22曲!さすがにスゲー)、2時間強の収録時間のU.U.F.O.は、何かとテーマに沿って作ったりそうでなかったりしつつも、全体として非常にバラエティに富んでいながら統一感もあり、大変スゲーアルバムになったと思います。これも全て支えてくださっている皆さんのおかげであり、また特にfeatureさせていただいたミュージシャン・友人、それからTemmieさんトールさんるーくさんを始めクリエイターの皆さんのおかげであると思います。本当にありがとうございます。

明らかに過去最大級のものを作った、という自覚があるので次の作品をどうしようか既に困っているところはあるのですが作るのはやめませんのでお楽しみに。(今も忙しくしています)

それでは、かめりあでした!ご覧頂きありがとうございました!いっぱい聴いてね!

*1:

www.youtube.com

*2:

www.youtube.com

*3:

www.youtube.com

*4:

ja.wikipedia.org

*5:

UVB-76 "The Buzzer" Unsolved Mystery Sound (12 Hours) - YouTube

*6:ちなみに自分が使っているのはchipsounds!良いシンセです。実機じゃないのでチップチューン過激派に○されます

*7:これは音楽ジャンルのJungleを指しています

*8:とはいえ、実はMOTHER2のこのサウンドにも更にサンプル元があります。

*9:「スレンダーマン / Slenderman」は名称として権利が取得されており使えないらしいです。のでこんな形で…

*10:とはいえ、仮に元ネタが全曲にあるアルバムだったらそれもそれで変な話よ

*11:自分で自分の曲をキレイとかいうのは憚られる所もあります

*12:これが全ての大元、という説もあります:

www.youtube.com

*13:なおドロップ前の声ネタはそのまま"Don't think, feel"です

*14:詳しくは公式の文章か翻訳を読んで下さい DELTARUNE Status Update - Sept 2020

(ネタバレ注意)MAD RAT DEAD追加楽曲「If We Could Be Friends,」について忘れる前に書いておいた方が良いこと

これはどんな記事ですか

「皆が忘れる前に&自分が忘れる前に(自分は大事なものであろうが全ての物を忘れていくタイプの人間なので)言うべきことは言っておけ」

というスタンスで生きています。こんばんは。

突然ですが先日28日に日本一ソフトウェア様「MAD RAT DEAD(マッドラットデッド)」に追加(無料DLC)になった楽曲「If We Could Be Friends, / かめりあ」についてどんな事を考えながら作っていたのか書いておこうと思います。あとモールス信号とか仕込んだしそれも答え合わせしておいたほうが良いっすよね!という記事です。

 

なお例のごとくですが、人によってはネタバレが含まれる可能性が高い記事になっているのと、人によっては解釈違いになりかねない記事になっているので、こちらをご了承の上「はい」ボタンから入室下さいますようお願いします。それから是非ともエンディングまでプレー後に見て下さい…。それから当然ですが(一般論として)「知ってしまう」と「知らない」状態に戻ることはできませんので、引き返したほうが良いと思う方、後悔する方は早い内に引き返して下さい。そして解釈違いだった場合は「うるせえお前が(かめりあが)間違っているんだ」「知らねえ」の精神で強く生きて下さい。あなたの考えはいつでもとても素晴らしいです。皆さんの人生を応援しています。

ちなみにマッドラットデッドはSwitchダウンロード版が5/12まで30%OFFになっているそうです。この記事を見られる方は持っている人がほとんどだとは思いますが(そうですよね?)、持っていない方は是非この機会に!

↓(以降本編です)

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2020/07/15の夢日記

今日の夢日記について

ご無沙汰です。かめりあです。
今日7/15の朝にものすごいボリュームの夢を見てしまって忘れられなくなってしまったので、久しぶりに夢日記を更新します。
実際の所、雑な箇条書きメモでメモ帳スクショ3枚レベルのボリュームがある(あった)ので戦々恐々としています(こんな事している暇があったら曲を作れ、ほんまぎょうさん趣味があって羨ましいわぁ)が、朝からずっと頭の中に残っているので取り急ぎ消化の意味も込めて…。

 

前日譚(マジ?夢なのに?)

今回の夢は自分が子猫とアヒル(?)を拾うところから始まります。子猫は小さい黒猫、アヒルは真っ黒なアヒル*1です。特に子猫は衰弱していたこともあって心配していたのですが、結局亡くなってしまいました。悲しいかな…

そんな中自分は温泉旅行*2に向かいます。最近コロナで旅行もほぼほぼキャンセルになってますからね。で、早速注釈です。自分の一人称で進むのですが、実質的には自分が何かのアニメかなんかの主人公を演じている(?)ようなものになっています(ということが後から分かりました*3)。なので「自分(=かめりあ)」ではなく他の誰かに置き換えた方が分かりやすいかもしれません。まぁ夢なので。

しかしながら、駅から温泉街までは遠く、実質的に隣駅から歩かなきゃ…と電車から降りて思います。時間はまだお昼、晴天なので歩くことは苦ではありませんが、知らない街なのでGoogle Mapを見ながら歩きます。道路が広くて田舎っぽいですがその内温泉に近づくにつれて道も狭くなっていくでしょう。

そんな道中に、キモい虫のトラップが仕掛けられているのを見つけました。毒のある虫、それも結構ヤバイやつ*4が色々ジップロックみたいなのに詰められていて道端に放置されていました。見つけてしまった自分が処理しなければいけないのか?でもヤバいだろ…と思っていた所地元のヤンチャな人たち(しかも結構人数がいる)に見つかってしまいました。じゃんけんで負けたやつがその虫トラップを開けようぜ!というバトルに巻き込まれてしまいました。困ったな…と思いつつ、周りに結構人数がいる事から特にじゃんけんに参加せずにやり過ごしました。節穴か?その結果友人のK氏(共に巻き込まれていたらしい)が負けクジを引いてしまったようです。困っているK氏に、「ジップロックだし、お湯を満たしたお風呂の浴槽に突っ込んで、食器用洗剤をまるごと突っ込んで開けたら処理できるんじゃないですか?」と血も涙もない助言をする自分。とりあえず一件落着。

事件発生

キモ虫トラップのせいでだいぶ遅くなってしまいました、日が段々と暮れ始めています。温泉に行く道中でも夏祭りのような催しが行われていて混雑しています。そんな中、なんだか偉そうな会社の超迷惑なイベントが始まってしまいました。『大名行列』をイメージしてもらえば分かりやすいのですが、社員一人ひとりや祭に参加している人、その家族や友達みんなが一体になって手を繋いで延々とつながっていくことで「絆」を表現する…みたいな、押し付けがましいイベントをおっぱじめました。道の真ん中で。通れないんだよな…と繋がれた手の下をくぐって横切ったところ、当然のように社員に怒られます。そうは言っても邪魔なんだよな…。結構な剣幕で追いかけてくる社員たち。当然関わり合いたくもないので自分は逃げ出しました。

そうこうしている間に迷惑な社員たちを巻き、気づけば温泉街の近くへ。今日泊まる予定の温泉の従業員さんがたまたま近くを歩いていたため声をかけられ、一緒に温泉に向かうことになりました。良かった。

 

温泉に向かう道中、遠くから鈍い衝撃音が聴こえてきました。何か大きなものが地面を揺らす音… 急いで高い場所へ位置を移すと、そこには数十mはある、四足の目のない大型の恐竜のようなもの(「モンスター」)が歩いています。恐れおののく自分(たち)。しかもそのモンスターの歩行コース的に、現在地点の近くを通りそうです。急いで近くの竹やぶに身を隠し息を潜めていると、数m横をモンスターの脚が竹をなぎ倒しながら歩き去っていくのをが見えました。踏み潰される一歩手前で間一髪見送ります。

モンスターが自分たちの横をかすめる時、奇妙なものを目にしました。モンスターは物理的に人間を襲うだけではなく、触手のような物を伸ばし人間に寄生し、人間の思考を操る事ができるようです。そして人間からもエネルギーを奪い死に至らしめ、なおかつその寄生された人間からも触手を更に伸ばしていくことができる…。怖すぎる。

そして結局の所、自分はその温泉街に長らく閉じ込められることになってしまいました。なぜなら、そのモンスターによって街はパニックに陥り、機能しなくなってしまったからです。
寄生され狂った人間と触手、そしてモンスターのうごめく地上を離れ、残された人間たちは元々駅チカなどのようになっていた地下空間に生活の場を移すことになりました…。地上には僅かなアウトロー達、危険を顧ず地上の限られた資源を求める人間たち、地上を奪還すべく立ち向かう人間たち…そしてモンスターに立ち向かう事のできる力を持つ「魔法使い」だけが残される結果になりました。

「魔法使い」とは

いきなり登場した「魔法使い」と言うワード。この「魔法使い」はいくつかの「魔法少女」モノに準じた*5、少しメタな設定を受けていました。

  • 「魔法使い」は人間が、人々を救うために魔法使いになった。
  • ただ「魔法使い」も当然モンスターやその他との争いで命を落とすことがある。
  • そして「魔法使い」はテクノロジーを土台にして生まれた、ファンタジーのエネルギーで動くものではない。

地下にはあまり多くの資源が残っていません。そして地上には人間を襲うモンスターが存在し触手がうごめいているため、なかなか生活物資の調達にも困難を要する事になっています。むしろ使えない人や仲間の少ない者こそ、地上へ向かい、資源を集めてくるか、あるいはモンスターと闘い少しでも現状を良くして命を落としていくか…。地下ではそうして食い扶持を少しでも減らしていくことが求められていました。

…そして自分も(このあたりから急にアニメの主人公のようになってきましたね)その結果「魔法使い」になっていきました*6

「魔法使い」になったからには地上での活動を余儀なくされる訳ですが、地上は地下と同じくらい暗く(恐らく夜は触手やモンスターの活動が少し収まるんでしょうね)、人気もない温泉街の廃墟だけが残っています。ただ、少数の何をして暮らしているのかも分からないような人間が暮らしていて、稀にそんな人間と出会うこともありましたが、基本的に「魔法使い」は上記の都合からあまり良くは思われてはいません。

地上、博物館

その地上での活動の最中、とある博物館に自分は出くわしました。その博物館では元々化石や異物などの考古学的な展示を行っていたのですが、どうやらモンスターが現れた日の周辺では「まどマギ」とのコラボを行っていたらしく、その残りが一角に飾られたまま誰の管理も受けず放置されていました。博物館の内部を捜索していると、館内の奥まった一室で生き延びている人間を発見。どうやら博物館の館長をしていた人のようです。奥まった一室も館長室のようで、そのためモンスターやその他の襲撃を免れたようでした。館長室の奥には椅子が数席あり、その椅子には誰かが座っていて、毛布が掛けられています。毛布のせいで誰が、どんな人が座っているかは分かりません。

館長曰く、モンスターは実際に古代の恐竜か過去に絶滅した生物との関連性があるようで、過去の研究からいくつかのモンスター・触手に関する重要な発見があった、ということで、一つ面白いことを見せてあげる、と言ってくれました。「魔法使い」は短命(すぐ死ぬし)だから冥土の土産みたいなものでしょうか。本意は分かりかねます。

「これが触手の力だ」と館長は言いました。椅子にかけられていた毛布を剥がすとそこには一対の老夫婦の死体が…。と思っていた矢先、死体が昼寝から覚めるかのように起き上がり、自分の方を見つめています。彼らは本当に死んでいたらしいのです。そして、触手が「誰かから奪い取ってきた」エネルギーで、彼らは一時的に蘇ったのだと説明をされていました。老夫婦は蔑む風潮に構わず「魔法使い」のことを"人類を救う希望"だと思っているようで、自分の手を握り労りの言葉を掛けてくれました。…ただ、その手の感触は、非常にゴワゴワして、温かさはあるものの人間のものと思えず、正直気持ちが悪いものでした。

と老夫婦とのひとときを過ごしているその時、開いていたドアから触手、そして触手に寄生された人間が!「魔法使い」*7の自分がいたとしても、館長を守りきって自分の命も守って…となると太刀打ちができません。そう思っていると館長はとっさにメモ帳から一枚紙を取り出したかと思うと、その紙に何やら文字を書き始めました。それらの文字は自分には理解ができないものですが、どうやら「モンスターの持っている知性」にとっては理解が可能な文字のようで、その文字によって彼らに自分たちを攻撃しないよう"命令"することで彼らの動きを止めることに成功します。館長は一体モンスターの何を知っているんだ…?と感じつつも、その日は地下へ戻ることに。

対立

地下へ戻ると、人々の様子がおかしいことに気づきます。「魔法使い」を巡って『魔法使いを信じるもの、信者』『魔法使いを信じないもの、魔法使いを排斥するもの』の間でいさかいが起き、最終的に彼らはほぼ完全に分断されてしまったようでした。信者の中には盲信的な人もいれば、「魔法使いも人間なんだから…」といった消極的な人まで存在しており、人それぞれ違う考え方の中で自分たちは生きていくしかないのだと改めて思い知らされます(教訓か?)。

そんな人々に囲まれていると、「魔法使い」を排斥するために活動している自称預言者とその一味に目をつけられます。彼らの第六感かあるいは何らかの技術か、いずれにしても圧倒的な存在感と説得力とともに魔法使いかそうでないかを言い当て、そして「魔法使い」と分かるや否や冷酷な手段で地下から追い出したりする集団です。その預言者が自分の顔を睨みつけ、しばらくの時間が経ち…審判が「お前は普通の人間だ」と告げられました。危機一髪…預言者は立ち去っていきます。が…でも自分は「魔法使い」なのではないのか?*8と頭をもたげる一つの疑問…。実は自分は「魔法使い」を演じるしかなくなってしまった『普通の一般人』でしかない事がここで薄っすらと分かります(そのため自分は何一つ「魔法使い」らしいことはしていない…していませんよね。おい夢!そこまで整合性を持った伏線を張るな)。しかしながら、現状を鑑みると地下も安全とは言えません。決してこちらも安全とは言えないけれども、ひとまず地上へ向かいます。

一体誰が仲間で誰がそうでなくなってしまったのか。「地下」にどれだけ魔法使いの事を守ってくれる人が残っているのか…。疑心暗鬼。

遭遇

戻った地上は相変わらずの暗い空、危険なですが、そこで一人の少女と出会いました。彼女は自分に助けてもらった「猫」の生まれ変わりだと言います。(そんな猫居たか…?と思っているあなた…自分も思いました。この夢の冒頭を思い出してください…自分も思い出しました。こんな伏線の貼り方あるのか…?夢なのに…?と思いました)あの時の猫…。命を落としてしまったけれども、その恩を返すために今は触手の力を使って、どこからかのエネルギーを使って蘇っていると言ってくれました。お前…ありがとう…。

近くのビルの5階に地下の魔法使い排斥集団からも、モンスターからも安全な場所があるからそこで落ち合いましょう、あなたの無事と平穏を祈っています、と言い残して彼女はどこかに消えていきます。

彼女は心の底から信じることができる。だって猫のことを知っているのは"自分だけ"なのだから、必ず彼女は本物の猫に違いない。そう信じて自分もビルへ向かいます。

 

…そうしてビルへと向かっている最中に、街の至る所からサイレンが鳴り始めました。巨大な「モンスター」が近くに現れており、狩りを始めるという警戒のサイレンです。「魔法使い」は街を守るために立ち向かわなければなりません。自分を含め魔法使いはすぐにモンスターのもとへ、ふもとへ向かいます。

自分が到着するやいなや、一人の魔法使いがヘマをやらかし、モンスターの足元に倒れているのが見えました。そしてその巨体に踏み潰され、息も絶え絶えに「こうやって魔法使いは死んでいくんだよ」と言い残して彼女は亡くなっていきました。

OP

ここで「この」アニメのOPが入ります(夢なのに?)。
場面が博物館に戻って、博物館に放置されていたまどマギオルゴールの一つが鳴り始める。
フレーズは「まだダメよ」の印象的なフレーズ。そのフレーズとこのアニメ(?)のOPのフレーズとが相互に混ざり合ってOPが始まる*9
めちゃめちゃ重いメタル系のベースと電子音楽系のドラムが合わさったドラムンが足回りという独特な暗く激しい地下に相応しい雰囲気で、劇中で出てくたサイレンが曲に合わせてずっと鳴っている。
劇中の効果音をOPに使うって、自分も「そこまで伏線貼れるアニメ/夢ある?」と感じながらこの曲を聴いていました。感動(お前の夢だろ)。

終焉*10

無残に亡くなった「魔法使い」の死骸を見て地下はパニック、俄に騒然とし始めます。

対立していた群衆達は、「魔法使い」を信じる者たちは、それでも魔法使いは人間を守るために闘っているんだ、だから支えなければならないと。「魔法使い」を排斥する物たちは、魔法使いたちは不要だ、使えない者たちだ。地下にも必要ないし地上でせいぜい頑張ってくれ、と*11。口論が始まり、対立はさらに悪化。地下は一触即発の事態に。地上はモンスターや触手がはびこり、地下は爆発寸前の対立がひしめき合う地獄になってしまいました。

そうした中、前述の亡くなった魔法使いを見届けた自分に排斥派からの矛先が向きます。迫る排斥派、そして自分をかばう信者たち。その対立は次第に宗教戦争のようになっていき、自分を守るもの、殺そうとするもので二分化され、至る所で争いが起こり始めました。

何もできないでいる自分を排斥派から守るため(物理的に)担ぎ上げる群衆の一人が、「武器を向けない人間は仲間だ。彼らから…目を逸らすな」と自分に伝えます。地下を運ばれていく自分、排斥派のフリをして潜み、すんでの所でゲリラ的に自分を守りに来る者が何名も何名も現れます。

自分は何もできない、ただの人間なのに…。

 

「猫」は無事なのか?この世界の魔法使いとは一体何なのか?怪物と魔法使いの関係とは?自分は魔法使いでなければ何者なのか?と言うところで夢が終わります。

ふざけるんじゃない。このボリュームの物語見せておいて(難なら自分は「経験」してますからね)終わるんじゃない。早く続きを見せてくれ。

エピローグ

「夢が終わります」と書いたのですが、その直前に少しだけ映っていた(何に?)シーンがありました。

魔法使い信者「スマホに(魔法使いに)『変身』っていうのがあるでしょ?ここまで来たら排斥派の目の前とはいえ、魔法使いにならないわけにはいかないね。まぁ使ってみてよ」
自分「はい…(魔法使いでは「ない」からそもそも変身する術もない…どうしたら…)」

排斥派らしき人間に追われてしまう自分。もはや成すすべなし…と思った直後、冒頭のキモ虫トラップを処理するハメになったKさんとわかりホッとする。Kさんとキモ虫トラップの中にいたの生まれ変わりのガタイのいい男性(人間の形はしているものの言葉は話さない)が共にオタクグッズを見せてきて、「やっぱり買いたいと思った時に買うべきだよね!だってプレミア付いてるもん」と自慢してくる。

正直これらのシーンもどう回収してくれるのか自分の脳には期待しかありません。今日は30時間くらい眠ろうと思います。

 

以上です

以上、7/15の朝に見た夢でした。マジでこの量(文字カウントだと7500文字弱ありますね…)のでっち上げできる気もしないので、できれば信じて下さい。マジでこの量の夢を見たんです。というか難なら冒頭のアヒルと猫飼うくだりとか端折りましたからね。あまりにボリュームのある夢すぎて今でも続きが気になって仕方がないんです、という気持ちだけで書きおこした夢でした。

あまり関係のない話ですが今胃を壊してしまっていて*12薬を飲んでいるので、それの副作用かもしれません。もし副作用でこんな夢が見れるのであれば今後一生この薬を飲み続けるハメになりそうなので楽しみにしておいて下さい。

それでは。長文失礼しました。

*1:そんなのいるんですかね?と思ってググったらいました

*2:本筋からは遠いので脚注で…目的地の温泉街は、今思うと草津っぽい感じです。ただなんというか、FFとかに出てきそうな工業の香りの漂う少し廃退した街になっていました。

*3:2020年7月anan調査による

*4:触ると死ぬ

*5:ぶっちゃけまどマギでしたね、はい…ちなみにこの夢の中、「夢の世界の中」「夢のアニメの中」では『まどマギ』が存在しています。それどころか…

*6:と誤解されているだけで、どうやら自分は『魔法使いではない』ようです。「『魔法使い』として生きていくしかない」だけだったのかもしれません…

*7:ではないのですが…

*8:「アニメの主人公を演じている自分」と別に「そのアニメを見ている自分」が存在してしまっていて、伏線か?と感じたことを書いておきます

*9:製作委員会はどんな予算の引っ張り方をしてきたらそんな引用ができるようになるんだ。意味分からないぞ。まぁ「夢」というか「アニメ」というか、これを「見ている自分」の方も『意味分からねえぞ』と口に出したのでその感想はあながち間違っていないと思います

*10:なお主観的には「アニメの1話の終わり」と言う感じを受けました。世界観が固まって、これからどうこのアニメが展開するのかドキドキさせて終わるあの感じです。続きはどうした。早くしろ

*11:一体魔法使いはなぜそういった人達に反乱しないのか、と思いますけど、そうは言っても人間ですから人を手に掛けるのも厳しいのでしょうね

*12:ピロリがいました

ReaperでBPM960以上の打ち込みを行う方法

これはどんな記事ですか

タイトルの通りです。

突然ですが、BPM999の打ち込みをしたくなることってありますよね?BPM13440は?無い?なんで?

しかしながら、大概のDAWは上限値があまり高くないため、例えば999であれば999/2=499.5の倍取りなどで対応する事が多いです。

 

イライラしますよね。

 

そこで、自分が昔から愛用しているDAWReaper」で、通常の最大BPM値、960以上の打ち込みを行う方法を備忘録として書いておきます。

 

必要なもの

  • Reaper
    バージョンによって動かない可能性があります。自分はバージョン6.03/x64を使用していますが、昔からこの方法で実装可能だったので、恐らく古いverでも大丈夫なはず…
  • テキストエディタ
    メモ帳(notepad.exe)で大丈夫です。ただ、メモ帳は一度にすべてのデータを読み込もうとしてしまうため、プロジェクトファイルが重いとかなり動作が重くなります。
    そのため、できる限りプロジェクトファイルが軽いうちに行うか、あるいは大容量のファイルの編集に対応したテキストエディタを使用することをおすすめします。

 

やりかた

※プロジェクトが破損する可能性もありますので、必ず自己責任で行って下さい。

※非公式です。公式への問い合わせは行わないで下さい。

※行う前に必ずプロジェクトファイルのバックアップを取ることをオススメします。

 

  1. まずプロジェクトを作成します。BPMはいくつでも構いません。

    f:id:cametek:20200304210922p:plain

    これはBPM120
  2. 素直にBPMを960以上の値に設定しようとすると…

    f:id:cametek:20200304211101p:plain

    BPM114514
  3. BPMが960でクリップ(上限)されてしまいます。

    f:id:cametek:20200304211144p:plain

    あぁん!?なんで!?
  4. (ここからが本編)テンポマップエンベロープに1つポイントを打ち、保存します。

    f:id:cametek:20200304211839p:plain

    うちました
  5. 一度プロジェクトを閉じ、エクスプローラにプロジェクトファイルを表示します。

    f:id:cametek:20200304211407p:plain

    既にヤベえ名前のプロジェクトファイルあって笑う
  6. 表示したプロジェクトファイルをテキストエディタで大胆に開きましょう。

    f:id:cametek:20200304211500p:plain

    文字がいっぱいあって怖い
  7. テキストエディタで開いたプロジェクトファイル内を"TEMPO"で検索すると良い感じの項目が発見されます。

    f:id:cametek:20200304211942p:plain

    テンポ発見!
  8. 察しの良い方は既にお気づきかと思いますが、おもむろにBPM値を変更します。保存し、Reaperで開き直すと…

    f:id:cametek:20200304212129p:plain

    まさかいくらなんでもそんな簡単に上限突破できるわけ…
  9. 完成です。

    f:id:cametek:20200304212325p:plain

    DAWと作曲者は幸せなキスをして終了

この方法を使えば、BPM5000兆だって…

 

BPM13440だって…

 思うがまま!というわけでした。

「という夢だったのさ」の画像検索結果

 

いかがでしたでしょうか?(定型句)

最後に、BPMは早ければ早いほど良いというものではないので、適度なBPMを使いましょう。

以上です。

「Blackmagik Blazing」に曲コメを書きました

この記事はどんな記事ですか

今年2019年、8月に開催されたコミックマーケット96で、新しいアルバム「Blackmagik Blazing」をリリースしました。この記事では、このアルバムを製作中にどんな事を考えながら曲を作っていたのか、どんなテーマがあって、どんな裏話があるのか、といったことを体力の続く限り書いていく記事(曲コメ)です。*1

なおこのアルバムはななひらさんとのばーさすシリーズ「ごーいん!」と同時リリースでした。大変だった…。そふらんちゃん9分マジ辛かった…。でもこういった同時リリースの時、方向性が真逆(ごーいん!は電波ソングが中心ですし)というのが、自分の制作にとって毎回良い感じに働いていると思います。良い感じ*2です。

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Blackmagik Blazing(イラスト:Temmieさん)

特にいち早く触れておきたいのはイラストのTemmieさん*3。「Undertale」「Deltarune」 のキャラクターデザインをはじめ、「Escaped Chasm」の制作なども手掛けたイラストレーターさんです。見れば分かる通り、独特で別格かつ、予想のつかないバランス感のある色彩感覚で、そしてややデフォルメチックで、非常に整っていて個性のあるキャラクターを描かれる方です。個人的に知り合って以来個人的にファンで、今回イラストを提供して頂いてとても嬉しく思っています。「黒魔法」「黒魔術」というテーマにピッタリだろうと考えていたのですが、予想を遥かに超えるピッタリさで感動、感激でした。Thank you temmiesan! 

そしてデザインを担当してくださったのは「INSANE INFLAME」のデザインも手掛けてくださっているShota Kajimuraさん。どうでも良いんですが"INSANE INFLAME"も"Blackmagik Blazing"も子音で言えば頭韻を踏んでますね。正直な話をすれば、イラストを頂いた時点でどうデザインするんだろう…、と心配になってしまったところがありました(申し訳ありません)。しかし仕上がったデザインは攻めていて、それでいてイラストに溶け込んでいて、本当に感謝と脱帽(帽子をね…)でしかありません。

これはジャケット単体の画像ですが(そしてデジタル配信は概ねこの画像を使っていますが)、CD版ではより幅広なイラストの全体像を見ることができます。Temmieさんからは既にイラストを公開頂いていますが、よければ是非CD媒体も引き続きよろしくお願いします。是非飾ってあげて下さい。

そして例のごとくこの記事はBlackmagik Blazingのデジタル配信の記念とお知らせを兼ねています。よければご検討下さい。イエーイ!ウオー!

 

 

リンク集

特設

CD

TANO*C STORE - メロンブックス(Melonbooks) - Diverse Direct

デジタル配信

Spotify - Apple Music / iTunes - Bandcamp - YouTube Music - Amazon - Google Play Music

 

 

 

本編

アルバム全体のイメージ

前回は「heart of android」という大人しめの作品を作ったので、次のチャンス(今回ですね)は絶対に攻撃的で強い(攻撃的で、強いという意味です)作品を作りたいなと思っていました。ちなみに、本作の計画そのものはheart of androidを作っている最中から練っていました。平均的にいえば1年くらい先の計画を常に考えているイメージですね。
そこで、今回は『黒魔術』をメインのテーマに、『邪気眼厨二病*4』というサブのテーマと組み合わせた作品にすることを着想しました。heart of androidパステル系のカラーリングだったというのもあるのですが、「黒」というカラーリングは対比としても面白いですしね。黒魔術も邪気眼*5どちらも個人的に好きな要素ということで、テキトーにやってもきっと良い感じ(良い感じ)の物ができるだろう、と制作はかなり勢い任せなものでしたので、そのため詳細なプランやストーリーはありませんが、その代わり全体の統一性は高いと思います。

特に、以前から音ゲーハードコアのことを個人的に「邪気眼コア」と呼んだりしていたことがあるのと、『もし自分が中学二年生の時に聴いたら一生聴いていそうだな』、と思える曲、という目標もありました。そのため、音ゲー曲的な要素は(計画段階から最終的な楽曲まで)多めになっています。だいぶ詰めました。モリモリ。

それから

かなり以前から、「PLANET//SHAPERがかめりあの最高のアルバムだ」と言われることが多く、どうにかその記録(?)を破りたいな、と願っていました。いや〜未だにそう言ってもらえるのは本当に嬉しいですが、とはいえもう何年前なのか分かりませんもんね。紀元前か?リリースした段階で、あるいは1ヶ月2ヶ月でそのチャレンジの結果が分かるわけではないのですが、それ以上にたくさん聴いてもらえると良いなぁと…というのが小さな野望でした。以上!

曲解説

Tr.01 B L A C K - R A Y

イントロ曲。もともと"イントロ(Introduction的な)"として2分前後の曲にする予定でしたが、作り進めているうちに1曲にできるなと思い色々な展開を追加。最終形はNeurofunk, Hardcore/Basscore, Drumstep/Neurostepを移り変わる楽曲になりました。ストリングスの刻みがメロディに入ってくる所が個人的なお気に入りです。なおドラムンとハードコアの前後半でキックが変わっています、上手い具合にシームレスになってよかった。
ちなみにソプラノのボーカルは自分です。嘘です

Tr.02 BRACE FOR FRICKING IMPACT

HardstyleとTrapを行き来する曲。曲名は「"クソ衝撃"に備えろ」の意味です(FrickingはFuckingの婉曲的的表現)。Level1, Level2, Level3とレベルの上がっていく声ネタがお気に入り。後半のコード進行はかなり楽典的にNGというか、実際外れた進行なのですが、暗さと勇猛さが表れていてなかなかいいアイデアでした。

Tr.03 Circles of Death

ギターリフが良い感じに決まっているハードコアです。ギター、良い~

2:39に音が入っていますね。制作中も何度か誤反応していました。YouTubeのコメント欄やエゴサをしていてもなかなか反応している人が多く嬉しかったです。マジすみません。

この曲、それからNight Raid with a Dragonは、このアルバムの中でも後の段階で直感的に作った*6作品だったのですが、そういった曲もこのアルバムに風味を増している感じがあり、いい感じがあるなぁ…(語彙力)。

Tr.04 Nasty * Nasty * Spell

エレクトロスウィング。DanceRush STARDOMで「Midnight Amaretto」を作って以来、この手のジャンルにかなりハマっています(コナミさんありがとうございます。是非ゲームもプレーしてね!)。この曲は基本的にas mollで進行するのですが、ベースハウス展開の前にf mollに転調します。こういった強引な(近い調ではありますが)転調も以外と馴染んでいて作っていて楽しかったです。

Tr.05 Arche

一応200Step*7ですが、ほとんどハードコアですね。Pumpcoreあたりになるんでしょうか、詳しい方がいらっしゃいましたらYahoo!メッセンジャーで教えて下さい。

この曲の曲名(アーケ、アルケになるんですかね)は同名の音ゲープレイヤーArcheさんのツイート

 

によるものです。ありがとうございました。

Tr.06 Night Raid with a Dragon

「ドラゴンと夜襲」。Basshouseから後半はDubstep/Hybrid Trapになります。笛っぽい音(笛ですが)がドラゴン使いかその能力をバフするヤツっぽい雰囲気を出していてお気に入りです。特に言うことがない曲っていうのもあるんですが、それで終わってしまうのも難なので何か書いておこうと思います。1発目のドロップの合間に入ってくるフレーズが2発目のドロップで2拍しか出てこないのは作っていて笑ってました。

Tr.07 Lúin Øf CeltchaЯ

この曲なんて読むんだ?ケルトハイテックです。途中でTrapになったりする。メロディックな展開で終わるかと思わせて、その後に1分以上展開があるので凄い。
ちなみに4分からのドロップはPLANET//SHAPERから表題曲のフレーズを一部使っています。セルフパロディ(オマージュ)!

Tr.08 KillerBeast

ソフラン曲です(別に他の曲もソフランしているけど)。Twerk /TwerkcoreとTrapを行ったり来たりします。一番最後のBPM変化しまくる所は完全にひらめきのままに作っちゃいました、意外とハマっていてやはりアイデアは大事だなと…

この曲の曲名、それから一部ボイス、キーボードのクリック音(!)などは音楽ゲームStreamerのBeastTrollMCさんから頂きました(サンプリングしました)。Thank you Ed! This is amazing!

www.twitch.tv

Tr.09 Blackmagik Blazing

表題曲!

こういうBPM250強くらいの4つ打ち曲を最近作るんですが、ジャンルは何になるんでしょうか?自分としては220~230の延長線上と思っていますが、ここまで来るとSpeedCoreなのではないかと思いつつ、とはいえキック2倍速でもないし…MSNメッセンジャーで教えて下さい。

このアルバムでは、アルバムそのもののキーとなりそうな『黒魔術』『邪気眼』っぽい要素を予め挙げ、あるいは制作しながら思いつき、それらを全体に散りばめる形で統一感を取っています。例えば「クサい*8ピアノ」「ギター」「鐘の音」とか「シンセメロディピロピロ」「ワブルベース」「キック連打」とか。実際にこの表題曲では、それら要素全てを曲の中で使用することにした結果こういった曲になっています。ちゃんとみんな入ってるね。よかったね。

Tr.10 [ ⫖⌊∄∄◗ ⫖⌊⦰⦰ꗐ ]

全然曲名が入力できねえ~!なんでだ!

アルファベットで表記すると"[ BLEED BLOOD ]"になります。シュシュシュシュ出血しろ!ツインリード*9のメロディがお気に入り。

ラストのドロップでは曲を止めたり、Bruhしてみたり、かなり遊んでしまいました。とはいえ全体的には真面目な曲、という対比があると良い!という思い込みがあります。

Tr.11 SECRET BOSS

「隠しボス」。キック連打大好き!チップチューン展開大好き!ウオー! Ah Shit, here we go again.

制作中、この曲のイントロがボスっぽくならなくて困っていたのを覚えています。最終的にはなんかまぁ中ボスっぽくなりましたがそういうのも良いんじゃないですかね。

後半のメロディ展開のコード進行が特徴的で割とお気に入りです。

Ebm → BM7 → Db → Gb → Bbm7 → BM7 → Abm7 → Db

Tr.12 We Could Get More Machinegun Psystyle! (And More Genre Switches)

(Machinegun) Psystyle, Psytrance / Fullon-psy, そしてJungle Terrorの3つのジャンルを行き来する曲。「更にマシンガンサイスタイルを手に入れたぞ!(そして更にジャンルが切り替わる!)」ちなみにドロップでBPMが320まで上がったりBPMが32まで下がったりします。こういうギミッキーで機能・目的としてのBPM変化って好きですね。私は何も悪くありません。

この曲のドロップ前の声ネタはドラム叩きながら配信もしちゃう凄いドラマーのThe8BigDrummer / Jerodさんから頂きました(サンプリングしました)。Thank you Jerod! Keep on rockin'!

Tr.13 ⫻Under Construxion⫻

工事中の曲です。かめりあ工務店 工事中グッズセットで先行試聴できた曲はこの曲になります。1:45

「工事中グッズセットの曲だからUnder Constructionなのね!」と思われると思いますが順序が逆で、実は以前から"Under Construction"という曲を作れないかな~と計画していました。そのタイミングで工事現場・工事監督の機運が高まってきてしまい…という流れで実現させたのがこの曲、そして工事中グッズセットになります。

Tr.14 NIGHTMARE † CITY

アルバムのトリの曲にして、アルバム最長の曲。そしてタイトルも後述しますが「Nightmare City」と、熱のこもった曲です。個人的にもすごくお気に入りの楽曲!

15年前、同名の(リスペクト元である)「Nightmare City」というFLASHアニメ作品が公開されました。

 

自分を含めた昔からインターネットをやっていた人達にとっては、もはや『基礎教養』『聖典』と呼ばれるほど、本当に多くの人たちが好きな作品です。今回このアルバムを作ると決めてから(というよりそれよりずっと前からですが)、テーマ的にもタイミング的にも、絶対にリスペクトした曲を作りたい!と考えて作り始めた楽曲です。

「NIGHTMARE † CITY」はそうしたモチベーションをうけ、「Nightmare City」とそのBGM「403 - Southern Cross」のオマージュ・リスペクトが多く取り入れられています。

  • イントロにもすぐ登場する4分音符3発のコード - 原曲は頭拍からですが、この曲では2拍アウフタクトになっています*10。サッザンクロス!のメロディ部分ですね。
  • メインメロディのコード進行 - このコード進行は原曲のイントロの進行とほとんど同じ進行になっています。なので、原曲のメロディをこの曲の上から歌うことも可能です。制作中はその自家製マッシュアップを一人で楽しんでいました。
  • 中間部の完全に楽曲がメタルになる展開 - 原曲がメタル(シンフォニックメタルかゴシックメタルあたりになるんですかね?)なので、どこかにメタル要素を入れたいな…と計画段階で考えていました。途中でギターソロを突っ込んだ所、これはイケるぞ、とメタルに完全にスイッチすることを決意。かなりお気に入りです。
  • ラスサビ後のピアノフレーズ - 説明不要とは思いますが…このフレーズは完全にリスペクトです。その後のドロップがこのフレーズを受けて三連になるのもお気に入り。

 今年27なので15年前というと12歳、若干タイムラグがあったと思いますし、多分ハマっていたのは中1中2くらいだったでしょうか…、時を超えてこういう形でリスペクトを表現できて良かったです。次はカタストロフしないといけないですね。

 

まとめ

良い感じのアルバムになりました。引き続き「Blackmagik Blazing」よろしくお願いします(投げやり)。

cametek.jp

*1:体力が尽きたら終了します

*2:良い感じ

*3:hOI! ホイ!のテミーさんのキャラを作った人(その他にも多くのキャラを手掛けています)。という立ち位置になると思います。

*4:マジで"厨二病"と"邪気眼"は違うから覚えておいて、頼むわ

*5:ずっと昔、邪気眼系のコミュニティにいましたし

*6:本当に一日二日とか…いきなり作りたくなって作ってしまう曲ってあるんですよ

*7:BPM200のダブステップ。自分が勝手にそう呼んでいる創作ジャンルです。

*8:「クサい」というのはメタル界隈の独特な表現ですが、砕いて言うと"やけにメロディックで、暗くて(マイナー調で)、胡散臭いけどカッコいい"とかそういう感じになるんですかね。若干の嘲笑を含みますが基本的には確実に褒め言葉です。ご承知おき下さい

*9:ギターが2本の場合ツインギターとかって呼ぶのでシンセが2本の場合はツインリードでは?と思ってそう呼んでいます

*10:こういった過程で着想したフレーズですので、本当に意図せずではありますが、Laurさんの楽曲ととても良く似てしまったということに後から気づき、本人にその旨伝えご了承頂きました。ありがとうございます!

スーパーマリオオデッセイ 最少キャプチャー数RTA(Minimum Capture Any%)について

(追記 07/12)

WRが先程更新されました。

これまでの「最少キャプチャー数RTA(Minimum Capture Any%)」史上最速となる1:13:49です。この記事内で解説していますが、後述の「10Captures最速」ですらありません。1つテクニックが少ないため、より簡単だった過去の13Capturesのレギュレーションも含め、最少キャプチャーというレギュレーションの中で(Nut Jumpを持つランに限ると)これまでで最も速い記録が叩き出されました。意味がわからない。

ランは1:50から始まります。

そして問題のNut Jumpは2:53より始まります。説明するより見た方が早いのですが、全くミスがありません。本人(Smallant1)も「文字通り"完璧"」「過去最速のNut Jumpだった」と相当に喜んでいる様子がわかります。

なおこのNut Jumpは可能なマリオデのバージョンが限られています。後のアップデート(最新版、1.3)ではロード時間の短縮が大幅に入り、Any%(通常の最速クリア)では59分14秒というWRが記録されています。逆算してAny%と14分しか差が無いのも含めて、相当速いという話が伝わるといいんですが。

これは本当に本当に速い…!この3ヶ月で3度もWRを叩き出した努力に感動!

そしてカテゴリーはマジで死んだ可能性があります。これからの記録にも楽しみです。

(追記ここまで) 

この記事を書く動機

5/30の朝、何もURLを貼らず、興奮そのままの空中実況ツイートをしていました。

 

 

 

「自分はよくTwitchのゲーム実況を見ている」というコンテキストを知っている人に限って言えば、Twitchでスーパーマリオオデッセイのカテゴリーを見ることができたとは思うのですが(そしてこのWR*1を叩き出した人は、その時点でカテゴリーの視聴者数トップだったので、なんとか見つけることもできそうです)。このツイートだけでは全く意味が不明だったことに加えて、その時何が起こったのか解説して面白さをわかってもらおうという目論見でこの記事を書いています。

 

スーパーマリオオデッセイ、キャプチャーについて

スーパーマリオオデッセイについて知らない人向けの話です。Wikipediaを見たほうが速いという意見もあります。
Nintendo Switch向けのゲームで、スーパーマリオサンシャインぶりの3Dマリオシリーズです。自分も持っていますが非常に面白い。相当グッと来ました。基本的に難易度は低め・万人向けなのですが所々に手強い箇所があり、自分はアクションが苦手なのも相まって普通に苦戦します。アクションゲーム適正がねえ。なお、ストーリーは(分岐やED後の要素こそあるものの)基本的に一本道です。なので、最少キャプチャー数RTAは自ずとEDまで一直線に進んでいくルートになります。

 

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スーパーマリオオデッセイ公式ページより

スーパーマリオ オデッセイ | Nintendo Switch | 任天堂

ゲーム中では、帽子のキャッピーくんをマリオがぶん投げることで空中ジャンプ的な動作が色々増えるほか、スクショ右下の帽子をかぶったクリボーのように帽子をぶつける(被せる?)ことでそのキャラや物を操ることができるようになります。

 

例えばマリオシリーズおなじみのクリボーやワンワン、キラーに加えて、恐竜、サボテンなど色々な物をキャプチャーして道を切り開いていく、そういった力学でスーパーマリオオデッセイは進んでいくんですね。軽いネタバレですが、このキャプチャーという能力を本当に最大限に活かしたエンディングを迎えるので、マジで胸が熱くなります。(選択反転メソッドはスマホ時代に通用するのか?)

特に説明不要な気もするけど最少キャプチャー数RTAとは

 そして最少キャプチャー数RTA(Minimum Capture Any%)では、「キャプチャー」回数を最少にしつつエンディングに到達することをルール(レギュレーション)としたRTAタイムアタックが行われています。もちろん、ゲーム内ではキャプチャーを行わないと進めない点が部分部分で存在しますから、どうにかしてその難所を乗り越えていく事になっています。

 

その日叩き出された記録の凄い所(本題)

こちらがSpeedrun.com*2の最少キャプチャー数RTAランキングです。

https://www.speedrun.com/smoce#Any_Minimum_Captures

まず、この最少キャプチャー数RTAは、長い間13回/14回のキャプチャーを行ってクリアするルートが盛んに行われていました。すでにレギュレーションが分岐しているのが面白い点なんですね!

Nut Jump

このルート分岐は、後述するNut Jumpというテクニックを使うことで、14キャプチャーのルートより1回キャプチャー回数を少なく保ったままクリアする、13キャプチャーのルートが可能であるということによります。
しかしながら、そのNut Jumpというテクニックが異常に難しく、世界に4人しか(Nut Jumpを用いて、あるいは「Nut Jumpを使用することができるプレイヤー」がいないということでもありますね)完走したプレイヤーがいないため、多くの人はNut Jumpを行わないルート、すなわち14キャプチャーのルートを選択せざるを得ない、ということがわかってもらえるかと思います。

カナダのプレイヤー*3Smallant1さんによる、2019年1月の13キャプチャーWR記録動画(クリアまでプレーするのでスーパーマリオオデッセイのネタバレを含みます)。ちなみに自分がツイートした配信でWRを叩き出したのも、WRを叩き出す前のWR記録保持者も、13キャプチャー(難しい方)の現記録保持者もSmallant1さんです。マジで何がNut Jumpに駆り立てるのか…。

ちなみにこの記事で取り上げている記録を現在達成しているのはSmallant1さんのみ、世界唯一かつ世界初の記録のため、自動的にほとんど全ての内容がSmallant1さんに関連した内容になっています。

テクニック自体は8:04あたりから始まります。ステージに配置されているナッツ(木の実)を持ち、投げる→飛び乗ることでジャンプが発動する+自動的に木の実を持つ→投げる→…を繰り返すことで無限にジャンプができるというテクニックです。なんか見た感じ簡単そうだし凄い技じゃん!と思うじゃないですか。本当に難しい。曰く、1/12秒(5F)しか成功する時間がない上、45回それを繰り返さなければならない、そしてそのNut Jumpを使うのがルートのほぼ最終部分、そのためRTAという時間を競うルールではやり直しをするためにほぼ全てのコースを再走しなければならない、というのが非常に難しい理由のようです。

左下の記録時間に注目しながら動画を確認すると分かりますが、1度目の挑戦は1時間近くNut Jumpに挑み諦めてリセット(再走)。2度目の挑戦も1時間近くNut Jumpに挑み諦めてリセット。結局4回目の挑戦の1時間強経過後にNut Jumpに成功しています。これがこのRTA配信時のWRです。なんとなくこのテクニックの難しさがわかってもらえたでしょうか。

 

しかし残念ながら、本記事で叩き出された記録は13キャプチャーではなく、10キャプチャーの記録となります。

 

Broode Skip


2019年5月末、あたらしく「Broode Skip」というテクニックが発見されました。このテクニックは、マリオオデッセイを2人でプレーする事のできるモードを使うことで、「滝の国」(2面)のボス「マダム・ブルード」を飛ばして次の国(3面)に向かうことができる技です。

というのもボス「マダム・ブルード」を倒すためには彼女が飼っている(?)ワンワンをキャプチャーして、彼女にぶつけることが必要になります。3回も。そのため、このボス戦をスキップできれば最少キャプチャー回数そのものが13回→10回になる新ルートが出来上がる、という事でした。そこでこのテクニックが発見されたのですが…。

マリオオデッセイでは、帽子のキャッピーくんを操作することで2人プレーにも対応しています。ジョイコンを2つに分けて、左のジョイコンはマリオ、右のジョイコンはキャッピーくん(帽子)、という様にプレーできるんですね。Broode Skipはその2人プレーを応用し、2Pのキャッピーくんを使って、通常のプレーでは届かないチェックポイントの旗を解禁するというテクニックです。
最も近くの足場から飛び出し、キャッピーくんを投げ上げつつ、移動可能範囲から出てしまわないようにキャッピーくんを操作し、通常届かない足場にキャッピーくんを引っ掛け、最終的に1人プレーモードに戻ってきた上で、その足場上に残っているキャッピーくんがマリオの元に帰ってくる挙動を利用してチェックポイントを解禁、チェックポイント上にワープしてムーンをゲットする、という過程を得ています。難しそうですね。上の動画は1度成功させるために45分を費やしています。また、曰く「昨日の配信では5時間を費やして5回だけ成功した」とのこと。大体1時間くらいかかってしまいそうなほど難しいテクニックだ、というのはなんとなく伝わりますか?

1人で2人プレーを行う必要があるということから(基本的にRTAは1人ですからね)ジョイコンを足でプレーせざるを得なく、また画面外にキャッピーくんを出した上で操作しなければならないので、何が起こっているのかのフィードバックがほとんどない、というのが難しい理由のようです。

テクニックの場所自体はかなり初めのステージなのでやり直し自体は簡単そうですが、例えばルートの後ろの方に難関が組み合わさったりすると、倍難しくなるのは想像がつきますね。はい、10キャプチャーRTAはそういったレギュレーションになりそうだ…と思っていました。実際に上の動画はその時点でのWR(&世界初完走)ですが、Brood Skipに45分、Nut Jumpに30分をそれぞれ費やしています。それぞれ1度の成功のためだけにこれだけ時間がかかるというのがマジで大変そう。*4

 

自分が興奮していた記録

Smallant1の10 Captures for PB/WRをwww.twitch.tvから視聴する

それを踏まえた上で、自分がクソ盛り上がっていたこの記録動画(クリアまでプレーするのでスーパーマリオオデッセイのネタバレを含みます)を紹介しようと思います。
これまでの13キャプチャーの記録は1:15:32です。そして10キャプチャー初完走時の記録は3:15:18と、実に倍以上の時間がかかっています。
実は10キャプチャーでは既に1:33:12というメッチャメチャ速い記録を叩き出しているのですが、それでも13キャプチャーに比べて、2つのテクニックを"揃える"ことに20分近い時間が費やされているのが分かりますね。

この配信は朝から見ていたのですが、1発目の挑戦の後半、Nut Jumpの時点で既にWR+6秒(6秒遅れ)の非常に速いペースをマークします。その後細かいリカバリープレー、プレーベースの短縮の結果、最終的な記録は1:33:01、WR-11秒のNew WR!これが記事冒頭で引用した自分のツイート2つ目までの状況です。配信開始直後の1発目のチャレンジでこのギリギリの熱いラン、盛り上がってしまうのが分かってもらえますでしょうか。そしてそのまま2回目3回目とBrood Skipが揃わず再挑戦を繰り返し、4回目の挑戦(動画2時間21分~)へ…

 

問題のラン

2時間26分頃からBrood Skipが始まりますが、なんと1回目のトライでBrood Skipが揃います。彼的にはFirst try, とは言っていますが、まだその段階ではそこまで盛り上がっていない様子が見えますね。とはいえコメントは1発目の成功ということで非常に盛り上がってます。この時点でWRを3分半まくっており、つまりBrood Skipが3分半早く揃ったということですね。
その後のプレイも見せ場がないわけではないのですが(料理の国のダメージブーストを使ったマグマ越えなど)、Nut Jumpにフォーカスして(3時間28分~)紹介します。

もちろんNut Jumpに時間がかかればWRはまず出ない上、実際に奪われし国の時点では4分しかWRを上回っていません。Nut Jump1発成功するか成功しないかで1時間が簡単に掛かってしまうテクニックということもあり、チャットに対しては「1回目のトライ(で成功するか)?それができたら普通じゃないよ」というように答えてからの挑戦。ちなみに大きな奈落を超えなければならないということもあり、マリオや木の実が落下してしまうことが何度も起こりがち。そのため、マリオや木の実が落ちてしまわない限りは1回目のトライ(First try)、と呼ばれて(呼んで)いるようです。

そしてNut Jumpを開始後2分後、1発目のトライでNut Jumpに成功!チャット欄大湧き。弊職作業中断。
Nut Jumpで乗ったクッパの形の像から足場の上に登るためには、通常キャプチャーが必要なため、一度奈落の方にジャンプをしてから折り返して登る必要があります。もちろん落下すれば即終了です。「緊張してる」「手がマジで震える」「狂ってる」と言って何度か躊躇った末、ついにボス戦へ。「What the heck/crap(どういう事だよ)」「Oh my gosh/god」を繰り返している様子から動揺が伝わると思います。事件です。あまりに早すぎるため、コメント欄では「このレギュレーション(カテゴリー)はもう死んだ(新しい記録は出ない)」と言われる結果に。

その後も大きなミスなく進み、最終的な結果はなんとその日2度目のWR、そして13キャプチャーのWRからでさえわずか3分しか遅れのない剛速の1:18:15!

 

これが冒頭に貼った4ツイートの真相、どうしても説明したかったマリオデの最少キャプチャーRTAの熱い記録でした。さっぱりした。

 

まとめ

発売から2年が経った現在でも、「ギャラクシー」「サンシャイン」「64」同様、スーパーマリオオデッセイのRTAは多くプレーされています。Any%やAUM(All-Unique-Moons、全てのムーンそれぞれを揃えるレギュレーション)など、正統派のRTAは比較的走者が多く、特に脚注のAny%世界初の1時間切りは感動的なRTAです。

しかしながらマリオ64の0StarRTA(ケツワープって聞いたこと見たことありませんか?)や Aボタン禁止TAS(この動画では2時間38分掛けてクリボーボム兵を複製しまくってAボタン回数を2回にまで減らしています)のように、専門性の強い非常に技術的な配信、RTAも多く、知れば知るほど面白くなっていく、スルメ的なRTAも存在しています。

上記の最少キャプチャーRTA、特にSmallant1さんの達成した10キャプチャーレギュレーションは驚異的な記録が出てしまったため、今後多くの人がプレーするかどうかは未知数ですが、この機に配信を作業BGMに見てみるしてみるというのはどうでしょうか。

締切に苦しんでいる方は是非!

*1:World Record, 世界記録

*2:RTA情報や記録をまとめる世界最大のコミュニティサイト

*3:ちなみにカナダではゲーム配信が盛んらしいです。世界で初めてスーパーマリオオデッセイ Any%Run(とにかく最速でマリオデをクリアするレギュレーション)の1時間切りを達成したNicroVedaさんもカナダのプレイヤーさん。

WRがかなり煮詰まっているため、NicroVedaさんは毎日毎日挑戦しては細かいミスでリセット、という賽の河原のような配信をしていて、作業しながら見ていてこれは大変そうだな…と思っていました。普段は割と淡々とプレーしているのですが、世界初1時間切りの動画は喜びを抑え切れないという様子で感動的です。 

 

他にも個人的に仲良くしている音楽ゲームプレイヤーのAzerさんもカナダのプレイヤーさんでした。カナダは凄い!Canada is fantastic!

*4:もっと言えば、週に何度もこのレギュレーションのRTAだけやってたりするのにもかかわらず、これだけ時間がかかっています。

「heart of android」に曲コメントを書きました(ネタバレ?注意)

この記事はどんな記事ですか

昨年、2018/12/30にコミックマーケット95にてリリースされた拙作「heart of android」について、製作中どんな事を考えながら作っていたか?どの曲にどんなイメージやコンセプト、アイデアが詰まっていたか?と言ったことをコメントしていく記事です。

ちなみにこのアルバムは今日、2019/01/31より各種デジタル配信サイトで配信を開始しており、こちらの記念も兼ねています!イェーイ

デジタル配信ストア各種

…とは言いつつも、このCD全体のイラストワーク、デザインワークは本当に素晴らしく、色々なデモやラフが届くたびに果てしないプレッシャーを感じて体調がどんどん悪くなる、心がミシミシ言う、というほどでした。そんな電鬼さん、TOHRU MiTSUHASHiさんによるイラストワーク・デザインワークがフルで楽しめるのはCDの特権ですので、CDというフォーマットでも、引き続き並んで強くおすすめします。

委託ショップ(CD)

注意

製作者のコメントと言うと、これが正解!というような意義で伝わってしまいそうですが、基本的には細かいところを含めて皆さんの想像におまかせしたいと思っていますので、そこんところはゆる~くお願いできるとマジでありがたいです。かめりあお前が間違ってるんだ!のスタンスで行きましょう!(何(マテ

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heart of androidのジャケット(イラスト:電鬼 デザイン:TOHRU MiTSUHASHi)、本当に綺麗で、プレッシャーがありました

本文

アルバム全体のイメージとコンセプト

「heart of android」はその名の通り"アンドロイドの心"、心のあるアンドロイドをテーマにした、メコンセプトとしてこれまでに冠したことのない「エモい」アルバムを目指して作りました。

ところでまず、この「エモい」という単語についてですが、実はこの単語の意味というのが、今まさに移り変わりつつあるのを認識していました。比較的年上の方(あるいは、自分の世代)では、「エモい」は「感傷的」「叙情(抒情)的」「泣ける」「切ない」といったニュアンスで使う方が多いように思っています。しかしながら、比較的年下の方では、「エモい」が「高揚(昂揚)する」「アガる」「盛り上がる」といったニュアンスでよく使われているようです(自分の個人的な認識です)(合ってますよね?)。

そこでその現状を逆手に取って、「エモい」「エモーショナル」に複数の意味を持たせ、"抒情&昂揚"の二つの側面を持ったアルバムにしたいな、というイメージで作り出したのがこのアルバムです。聴いて頂く方々がそれぞれの「エモさ」を感じてくれればいいのですが!

それから、サブテーマとして「有機と無機」、「懐かしい近未来」と言ったものもあります。前者は、以前より自分のサウンドになりつつあった組み合わせではありますが、シンセサイザーなどの無機質なサウンドと、ピアノやストリングス、あるいはボーカルなどの有機的なサウンドの融合。後者は、ややサイバーでクールなサウンドに、あえてピアニカや、オルゴール、それから8bit的な音色を組み合わせたりなど、と言った形で表現しています。

 

それぞれの曲について

01. Alone intelligence

Twitterに軽い気持ちでプレビューを投稿したらガッツリ伸びてしまい、かなり緊張した一曲でした(メタ)。

「独りぼっちの知性」。自分の好きな物語のパターンに、"主を失ったロボット"というものがあるのですが(まぁ、具体例を挙げなくても色んな所で散見されますよね)、そのイメージを重ねて作っています。廃墟や高層建築の街に降る雨の中で、自分のすべき事は一体何なのかを探すアンドロイド、という描写を考えながら作っていました。マジか、そうだったのか…。知らなかった、そんなの…

後の何曲かでも聴ける通り、この曲のフレーズがアルバム全体のモチーフになっています。例えばTr.03 "[ns]", Tr.13 "Heart of Android : Even If It's Only By Mechanism", Tr.14 "Embracing intelligences", 面白いところではTr.07 "S.A.T.E.L.L.I.T.E.", Tr.11 "Tojita Sekai"のボーカルラインに現れていたりもします。

02. Arcology On Permafrost

全部の曲に物語性があるわけではないんですが(爆)

曲名は「永久凍土の完全環境都市」という意味になっています。永久凍土が残っている程度には寒い地域に都市を構えるなんて、さぞ凍えるだろう、と思いつつ、そんな中でも都市がある程度には技術が発展した未来なんだ、という深読みタイトルの意味も込められていますね。

昔から「冬っぽい場所(のBGM)」「氷っぽいステージ(のBGM)」、あるいはとかとかが大好きなんですが、皆さんとも共有できているんでしょうか。単に自分が北海道生まれで東京に越してきたから、とかそういう話ではないといいんですが。

この曲では顕著ですが、アルバム全体を通じて、1曲のうち2回し目をほぼ必ず違う形の展開にする事を心がけています(勿論このアルバムに限らずですが)。特にこの曲では、後半でテッキーなドラム隊が入ってきて、ピアノのリフに移り変わる、という面白い展開を組むことができ、曲の冷たい雰囲気と合わせてコッソリお気に入りです。

03. [ns]

曲名の意味は"nanosecond"です*1

ナノ秒」というほんの短い時間に、莫大な量の計算を走らせることができるようになった高度な計算技術をイメージし、相当に細かいエディットを施したブレイクビーツを曲全体にガツガツ配置しました。更に4つ打ちの展開も入ってきてしまったりするBreakcoreです。…とはいえ、どう頑張ってもせいぜいミリ秒単位のエディットですが!

ブレイクス(ドラム)以外のほとんどの音が消えたりするトリッキーな曲ですが、BreakCoreはドラムが気持ちよければ成立する、というジャンルなので面白いですね。

04. Σtealth-Δash

もちろん、"Stealth-Dash"の意味ですね。

このアルバムを作るにあたって、どんなものが『近未来』めいているだろうか?と考えていました。純粋な近未来ではなく、確かに想像の中には存在するけども、どこかチープで懐かしい近未来…と考えた時に、自分の記憶からは「爆ボンバーマン(の謎にカクカクした街(マップ?))」や「アーマードコア」、「ラチェットアンドクランク」、「FF8エスタ」が思いつきます。そして、後にTojita Sekaiで再び触れることになるのですが、「カスタムロボ(特にBattle Revolution)」の世界観と言ったものがストライクヒットしました。

で、カスタムロボにはストライクバニッシャー型というロボの種類があり、そのロボは空中のダッシュ時に"ステルス"という相手のガンを無効化することのできる能力を持っています。これが全てです。マジか。

05. FM Synthesis Experiment

この曲はかなり遊んでしまいました。

まず、曲全体のピッチが半端なくズレており*2絶対音感を持っている一部の人は相当気持ち悪く思うはずです。稀に「録音ミスでは?」という声もありましたが、私がいちいち全てのシンセにお前チューニングを下げろ(上げろ)とセッティングした結果です。

それから曲名にもある通り、FMシンセサイザーを至るところで多用し、分かりやすいところではドロップの多種なサウンド、後半のメロディシンセの音、あるいはパッドやSEなどなど、相当に実験的な楽曲になりました。

上に挙げたような前世代のゲーム内での「近未来的」なマップや、「謎のラボの実験室」的な場所の曲といえば、やはりチープ(今となってはですよ)なFMサウンド、そしてコードの平行移動。そういった、我々の中に宿った"エセ"近未来、というものを表現しつつ作られた曲です。

06. Together forever, my lovely lovely video game cartridges

普段から自分のツイッターを監視してくださっている方々にとっては、自分が改めて言うことではないのかもしれませんが…。昔からポケモンというゲームが好きで(ご存知ですか?)、ずっと昔に自分が持っていたはずのポケモンのカートリッジと、捕まえていたはずのポケモン達のことを思いながら書いた曲です。

サウンド的にはややFuture House的になりつつも、ここまで音数が多いともはや普通のHouseですよね。とはいえテーマがテーマだけに8bit系の音色が多く、意外とまとまった曲になったような気もしています。

07. S.A.T.E.L.L.I.T.E.

衛星。そもそも「人工衛星」という存在そのものが地球から遠く離れて一人信号を送り続けるマシーンとして、完璧にこのアルバムのコンセプトなのですが、その上彼らは空に輝くのがマジで卑怯なんですよね(知るか)。

遥か未来、おとぎ話か歴史資料の中にしか「きらめく星」という存在は残っていなく、厚い雲に覆われた大地にとって、もはや観測する手段も無いような存在だった。人類はかつて、慣習としてそんな星に対して何かを願ったようだが、もはや誰も、この夜空に何も見つける事はできない。アンドロイドたちは、そんな幻のような存在の代わりに、絶えず『信号』を瞬き続ける人工衛星にそれぞれの願いを心の中で祈っている。

というような内容を歌っています。

08. This Future (we didn't expect)

歌詞の中でほぼほぼ全て歌ってしまっているので、改めて書くことがありません。…で終わらせるのもしょうがないので音楽面の話をしたいです。

常套句と言われてもしょうがない気もする「"今"があの時思い描いてた未来なんだよ」という話。曲中では、その未来の表現のため色々なローファイな音源を使用しまくってます。例えばピアノに始まり、ストリングス、ベル、そしてボーカルに至るまで、いたるところで劣化した、チープな音を使いまくっているわけですね。でもそういう音こそがあの頃の一番カッコよかった音だったりして…

Future Bass+曲後半でのHardcoreへの展開、という組み合わせは以前にも「プレゼント」という楽曲でななひらさん、そしてギター、ベースを弾いてくれている「つこ」とトライしています。こちらの曲では"ロックカルチャー方面由来の"「エモ」というジャンル、という意味で共通している所も多く、良ければこちらの曲もどうでしょうか(?)。

09. Upload Your Mind :: Download My Soul

PsystyleとRawstyleを絶えず行ったり来たり、相当足回り(ドラムとベース)を作るのは大変でした。必ずしも未来が全て明るいとは限らない、電脳世界の暗部、といった雰囲気の楽曲です。そうだったのか…

楽曲中ではタイトル通り「お前の心をアップロードして、(代わりに)俺の魂をダウンロードしろ」と言い続けています。想像し得る通り、何か巨大で、統一された人類(あるいは、それらがロボットやアンドロイドだったとしても構わないのですが)を望む存在を背景にイメージしていました。ただ、この曲はその『私の思惑に従う同一の存在になれ』という強い圧力に対して、抵抗し続けるか弱い存在をイメージした曲です。

メインのテーマをピアニカとアコギでいきなり演奏し始める辺りは、そんなか弱い存在がどうしても消されたくない、小さな思い出をイメージしながら作りました。え、そうだったのか…

10. New Era

「新時代」というタイトルでありながら、楽曲はエレクトロ、ビッグルーム、という何ら新しさのないジャンルなのがお気に入りです。とはいえ、既存のジャンルではあまり扱われていない音使いやカットアップなどをスパスパ差し込むことができ、新時代っぽい(そうなのか?)曲になったのでほどほどに安心していました。

この曲には明確なストーリーがあるわけではありませんが、「目覚め」という朧気なテーマを拵えながら作っていたような気がします。長い長いコールドスリープから目覚め、その名の通り"新しい時代"に目覚めた時の不安、そして希望…。実際、最近一番分かりやすいのは「ゼルダの伝説 Breath of the Wild」のOPシーンだと思いますし、確かにサウンド的にも近いものがあるな…と書きながら再認識しています。

11. Tojita Sekai

この曲はマジで頑張りました。

さて、「Σtealth-Δash」の項でも触れた通り、この曲は「カスタムロボ」の世界観に強く影響を受けています。10年以上前のゲームに対してそれを言うのも些か過敏な気はしますが、詳しくはネタバレになってしまうので、Wikipediaの記述を読むなり(「用語」のあたりに詳しく書いてあります)各自でお願いできればと…。

あえて言う必要のあることではない(歌詞の中でほぼほぼ説明していますしね)のですが、説明するとすれば「トゥルーマン・ショー」のように周りを作り物の空、作り物の壁、そして奈落の囲む世界から抜け出そうとする二人の物語の曲です。

イントロでも何度か鳴り、そして歌詞の中でも触れることのできた退廃感のある鐘の音がお気に入りです。その他にも、勿論こういった複雑な展開や、中間部ではQuarter Stepと呼ばれていた、Dubstep黎明期に生まれたハーフビートの更に半分の速度のビートを採用したりなどなど…。自作の中では比較的壮大な7分に及ぶ楽曲にもかかわらず、コツコツ頑張った末仕上げられたのですこぶる気に入っています。

12. Beyond the Geostationary Orbit Level

静止衛星軌道を超えて」。もちろん、"Exit This Earth's Atomosphere"から連想を受けています。「Upload Your Mind :: Download My Soul」しかり、純粋に「叙情的」というテーマをこのアルバムに冠していたとしたら、こういった激しいタイプの楽曲をどうやって落とし込んでいただろうか、と「エモい」の多義性やテーマの複雑さに感謝した楽曲でした。

この地球の大気圏を脱出し、静止衛星軌道を超え、どこにそれが向かい続けるのか…。一体なぜそれは進み続けるのか…。それの行き先は、まだ誰も知らない。まるで音楽を書き続ける自分のような話ですね。そうだったのか…

13. Heart of Android : Even If It's Only By Mechanism

ジャケットのイラストを頂き、さてこれは大変なことになってきたぞ…と思いながら作った曲です。全体的にはFuture Glitch的な雰囲気ですが、ストリングスがいればギターもいるし、ほとんどポップソングですね。

「heart of android」という表題を冠しているにもかかわらず、そんなのは計算の結果に過ぎない、真似をしているだけだという歌詞になっています。言わずもがな、イラストの情景をイメージしていますし、楽曲の全体を通じてボコーダーによるロボットボイスっぽい加工を施しました。

こういった、楽曲の内容に合わせて色々な加工やFXを足していくことが好きなんですが、明らかに「ゲームのBGM」や「効果音」というところから着想を得ている気がして、いくらゲームが下手になっても根っこはゲーマーなんだなぁ、と感じます。

実際右側の娘は人間なんでしょうか?自分も知りません!それでも、たとえそれがプログラムや機構やシステムの結果であったとしても、そこに心があると信じることができるということを、あえて逆のことを言い続けることで表現したんですが、皆さんには伝わったんでしょうか。自分も知りません!伝わっているといいなぁ、と思います(そして、そのためにセコセコブログを書いています)。

14. Embracing intelligences

イントロであるAlone Intelligencesが皆さんの好きなタイプのEDM/(Melodic)Dubstep/HDMだったということもあり、アウトロはどんな曲にするか悩みましたが、ハッピーエンド的な楽曲にしてみることにしました。Tropical Houseと呼ばれるジャンルです。

面白い所で、申し上げた通り、今回のアルバムでは2回し目で同じ展開をしない、ということを心がけて作ってきました。実質的なアウトロ(Tr.15はQuaoarですしね)で、音は増えているものの同じ形のドロップを2回し目でもう一度繰り返す、そしてよく聴くと2回し目のドロップは転調している、という形式にしてみました。イェーイめっちゃアウフヘーベンです。CMaj→FMaj、下属調と呼ばれる調への転調で、自然に聴こえる転調の一つの上、そもそもクラブミュージックは転調しない曲のほうが圧倒的に多く、注意深く聴かないと気づかない人の方が多そうだ~と思いましたのであえて書いてみました。そのためにセコセコブログを書いています。そうだったのか…

15. Quaoar (For "Thanks Follower 50k")

もともとTwitterフォロワー5万人を記念してフリー公開した楽曲ですが、非常に楽曲のイメージがアルバムのコンセプトに近いということもあって、せっかくなので収録しました*3

最終的に「抱擁しあう知性たち」でハッピーエンドにしておきつつ、「Quaoar*4」という夜空のイメージで終わっているアルバム、意外といいアフターストーリーが用意でき、アルバムそのもののストーリーが良く組み上がって安心した曲でした。きっと人工衛星から送られてくる信号だけが届く、世界の果ても空に広がる天球も作り物の閉じた世界から抜け出して、ついに夜空を見られたんでしょうね(適当)。めでたしめでたし。

最後に 

直接の関係がある話ではないのですが、このアルバムを作っている最中に某コンテストが突如開催されたり、制作はこれまでにないほど非常に非常にギリギリのものでした。実際15曲というのは、以前からリリースしている自分のアルバムに比べると比較的多いけども最大ではない、というレベルですが、今作はすべての曲で繰り返しの展開を避けていたので、概ね1.5~2倍くらいの手間暇がかかっています(体感)。一日中目眩が止まらなくなった時はマジもうおしまいやと思いました。めまいがとまらなくなったりもしたけれど、わたしはげんきです。多分ストレスです。

そんな中で応援して下さっている皆さんや、フォロワー諸兄(いつもありがとうございます)、あるいは家族・友人・先輩方に大変大変支えられまして、なんとかリリースすることができました。某コンテストの楽曲が無事に皆さんにお披露目できたのももちろんその1つですが、いつも皆さんの声やツイートや、イベントに足を運んでくださる皆さんが自分の創作を支えてくれています。本当にありがとうございます。

同人に限ると、フルオリジナルのソロアルバムは「INVAIDAS FROM DA JUNGLE」以来です(その間ソロアルバムは「GALAXY BURST」や、kradnessさんとのアルバム「Mira」をリリースしていますが)。INVAIDAS~は2017年の夏のリリースなので、実に1年半近くお待たせしてしまいました。これからも引き続き制作に誠心誠意取り組んでいきますが、まずはやっとこさリリースできたこのアルバムを楽しんでもらえると嬉しいです!

というわけで、9,000文字強に及ぶ稚拙な感想文をお読み頂きありがとうございました。かめりあでした。

*1:場合によりますが、学術単位は[ ]で囲むのが慣習の一つになっています

*2:半音の半音、±50Centズレています。押しなべて言えば、通常の調律の楽器をこの曲と一緒に弾こうとすると、全ての音が「半音の半音」ズレて聞こえます。これは結構なズレです。逆に言えば、通常の調律の楽器、あるいはシンセなど上では、1つもこの曲のチューニングに合う音が存在しません。これは結構なズレです。結構です。

*3:これ以上曲を書くかどうかと言われれば書かなかったでしょうし、その上これで収録時間限界ちょうどということもありましたので

*4:Twitterのフォロワー5万人にかけ、50,000番目の天体名を名付けています